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遅くない、スタートライン 第5部 第2話

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(2)

我が家の朝は、めぐたんの泣き声から始まる。ピッタシ4時間の授乳リズムなのでわかりやすい子だ。私とめぐたんは1階の和室で寝起きしている。パパとあきとは2階の寝室で寝ている。

「あいあい!お姫様ぁ…おなか空きましたか?」私はめぐたんのほっぺをチョンと突っついた。この頃…引きつり笑いをするようになった。またこれをパパに言ったら、引きつり笑いをするまでほっぺをチョンする!またあきともマネしてするだろうな。

めぐたんは生後2ヶ月と15日を迎えた。時は7月の月末である!そう…私はこの時期にめぐたんを授かったのだ。カレンダーを見て余韻に浸った。あ、そうそう…カフェも復帰しました。生後2ヶ月になった時に、ベビーカートをカフェに持ち込んでます。先週からあきとが夏休みになり、あきともカフェに一緒に出勤しています。(笑)

パパは医療ドラマの収録が始まり、歌手業も復活しました。私の出産後に徐々に仕事に復帰しました。作家業は医療ドラマとスィーツロードSP版の2本を手掛けていて、また多忙な日を送っております。

「っちくしょぉ( 一一)」つぶやきながら、カフェに入ってきたパパだ。

私は調理場でケーキのカッティングをしていた。めぐたんは千尋さんが見てくれてる。あきとは莉佳子ちゃん達と庭で遊んでいる。カフェはランチタイムが終わり一息ついたところだった。

「どーしたの?パパぁ」
「あぁ…( 一一) 美裕エライこっちゃ!桑さんにハメられたぁ!」
私と千尋さんは顔を見合わせた。

「お、めぐたん姫ぇ!パパ帰ってきましたでっと!手を洗ってこう」
さっきまで怒ってたのに、めぐたんの顔を見たらコレだ。そそくさとキッチンの洗面所で手を洗うパパだった。

2号店リカナがオープンして1ヶ月が経った。高茂久総合病院前に道路を挟んで建っているのだ。好条件の物件だ!オープン時も1号店は臨時閉店し、2号店の手伝いに行った。私も産後半月が経っていたので、お手伝いに行った。また、高茂久院長達は2号店のリカナにVIP来客が来たら、スィーツの注文を大量にしてくれた。またお土産用としても注文してくれ、諒君達は嬉しい悲鳴だった。スタッフも当初の計画より4人増やし、諒君の製菓専門上級コースのダチ達を千尋さんと面接し2名採用した。オープン当初は忙しいだろうと思い、今日…初めてパパは雅樹兄貴達と2号店リカナに行ったそうだ。

2号店のリカナは、調理師免許を持つ諒君とダチの真司君がいてランチを担当している。スィーツは加奈ちゃんと京香ちゃんが担当していて、1号店より人数が多いからできることだ。今日もパパ達が行った時は、ランチの終わりがけだったが、まだ何組かのお客さんがいたそうだ。テーブル席の端っこで男4人・雅樹兄貴・竜生兄貴・准さん・パパで座ったらしい。今日のランチはデミグラスソースのオムライスにサラダとプチスィーツとドリンクがついたのを食べたらしい。(私も食べたかったな)諒君のふわとろオムライスは美味しいのだ。1号店の賄い食でよく登場したわ。プチスィーツは桃のタルトで上にクランベリーが乗っていて、超美味かったらしい。

男4人でランチを堪能して、雑談をしていたら…自動ドアが開いた( 一一)なんと…桑さんと氷室さんと高茂久院長先生が入ってきたらしい。

「あらぁ…偶然ですこと」桑さんは笑顔でパパ達に言った。桑さんの笑顔をほど怖いものはない。横の氷室さんは口に手を当てて笑っていたそうだ。

「MASATOパパ!娘育ってるか?」と桑さんに聞かれ…
「美裕ママはお元気か?」と氷室さんに聞かれたそうだ。横の高茂久院長先生はパパに手でごめんとしたようだ。

「エェ…それは美裕に聞かんとわかりませんよぉ。カフェに本復帰してるからぁ!作家業も始めたし」
「だからぁ!美裕ちゃんに予定合わせるから!今週中に収録したいんだ!」と…押しきられたそうだ。

私は泡立て器を持った手をワナらせた。パパはずるい!千尋さんの後ろに隠れた。
「で…お返事したの?」
「だ、だって!桑さんと氷室さんのダブル笑顔でイヤって言えるかぁ?」
千尋さんの後ろから言い切ったパパだ。( 一一)

「美裕ぉ…出なさいな(#^.^#)もう何回もお声かけていただいてるのに。1回出れば桑さんの気が済むでしょ」
「ち、千尋さん!自分が出ないからと言ってね!」どうやら千尋さんは楽しんでるようだ。

「桑さんが…ぜひスィーツ作って持ってきてほしいと言ってた。あ、家族写真と!できればめぐたんも連れてきてほしいと。あきとは幼稚舎行ってるからいいって」
「ぱ、パパぁ!!その条件呑んだの!!」私の声でめぐたんが泣きだした。

パパは千尋さんの後ろからサッと出て、めぐたんをダッコしてこう言った。
「あぁ…怖かったね!ママが大きい声だすからぁ!ッテェ」
私が怒る前に、千尋さんにお尻を叩かれたパパだ。さすが千尋さんと言いたいところだけど!さっき笑ったからね。
千尋さんにも後で文句を言うわ!

家に帰ってから私のご機嫌を取る取る!あきとがそんなパパを見てヘンな顔していた。
「ね!後のお皿洗いとめぐたんのお風呂は俺がするからぁ!ご機嫌なおしてぇ。な…ママぁ」
めぐたんをダッコしながら、私の顔を覗き込んだパパだ。めぐたんを抱いてれば私の攻撃を受けないと思ってるから、腹立つわぁ。このパパ!

「あきとぉ!ご飯済んだら…ママの新作のスィーツ食べよう。パパにはやらない!」
あきとは一瞬嬉しそうな顔をしたが、同時にパパの顔を見た。5歳にしてこの反応(*^^*)
「いいけどぉ…パパぁ!いいの?」と言ったあきとだ。
まさか、息子にこんなことを言われるとは思ってもみなかったパパだ。言葉に詰まった顔してたぁ。


ま、怒っても仕方ないのはわかってるぅ。大ドンの桑さんと氷室さんが言ったら断れないのは、私だってわかってるぅ。春花さん達もそれは甘んじて受けなければいけないと。芸能界は縦列社会だから( 一一)

あきと・めぐたんのお風呂を入れて、2人を寝かしつけたパパだ。私がお風呂に入っている間に、アイスティーと冷蔵庫の中の新作のゼリーがテーブルの上に出ていた。
「ね…これでご機嫌治してぇ。マジごめんなさい」と私に頭を下げた。

「もぉいいよぉ。私だってわかってるわぁ。桑さん達にNOとは言えないって。あぁ何しゃべったらいいの?」
「日常生活モロモロで結構ですと」
「に、日常生活モロモロぉ?洗いざらいってこと?」
「みたぃ。すんません」また頭を下げたパパだ。

アイスティーとゼリーを食べてから、ソファに2人で座った。この頃ソファに座ることはない。めぐたんの授乳やおむつ替えは和室でしている。和室じゃないと…こむぎとむぎたが寄ってくる寄ってくる!めぐたんが哺乳瓶でミルクを吸ってると、ミルクの匂いがいいのか…2匹ともめぐたんの頭をかぎにくる。紙おむつはおもちゃだと思ってるので、一度こむぎがおむつをくわえ、振り回して遊んでたのを見たから。もう悪いけど柴犬姉弟は和室出入り厳禁にした。フェンスを2段にしてるから今のところ大丈夫だと思うけど。