パパはロボット
ぼくのパパはロボット。
もう少し加えるなら 人工知能を持ったアンドロイドだ。
なんだ? と思うかもしれない。
その説明をする前に言っておきたいのは、ぼくはとってもしあわせであるということ。
ぼくの名前は、黒石光輝(くろいしこうき)。
黒石というのは、表向きの苗字で 戸籍の名前は、母さんの姓の白井だ。
ということは、パパは婿養子なのかといえばそうなるけれど、正確には 母さんは、パパとの縁組をし、所有者ということになるらしい。
そもそも研究所生まれのパパに先祖や親からの名前はない。
だから、母さんの姓を名乗ることが自然なのかもしれないけれど、母さんは、結婚したのだからと戸籍を作る時に 恩師の姓を借りて名乗ることにしたのだ。
だからぼくも 二つの姓を使い分けている。
とはいっても、学校でぼくが使う名前は黒石光輝。
公的な書類や学校への提出の書類を母さんが書く時だけ 白井光輝になる。
白だの黒だのまぎらわしいけれど、ぼくはどちらも気に入っている。
気になる?ぼくの両親の名前を紹介します。
パパは、黒石ジェミノスタイル1088号颯太。長いので黒石颯太(そーた)。
母さんは、白井深優子。結婚して 黒石深優子(みゅーこ)。
名前のように新しい風に大きく立ち向かうパパと優しさの深い母さんだ。
どうして パパと母さんかって?
うーん。ぼくが言葉を覚えた時からだから ぼくにとっては大した理由はないんだけど、理由がいるなら、パパはロボットだからカタカナで 母さんはこの国では肝っ玉母さんって なんにでもおおらかなどっしりした感じがするでしょ?
あ、これを母さんに言うと不機嫌になるんだ。
そんなにぽっちゃりしてないわよ!ってね。
母さんに「お」を付けないのは おパパとは言わないでしょ。そんな理由(わけ)さ。
「光輝、また変えたのね。母さんよりずっと若いじゃないの」
「だって、この声の方が盛り上がるんだもん」
ぼくが ときどきパパの声の設定を変えると 母さんは嫌がるんだ。
母さんは、好きな声優さんの声にしているらしいんだけど、ぼくにはパパってイメージじゃない。きっと母さんは ずっと恋人気分なんだろうね。
「ちゃんと戻しておいてよ。もう。大事な話がしにくくて仕方ないわ」
「わかってるって。あ、でももう少し、えっと…あと二十分だけ待ってよ」
「まぁ! 仕方ないわね。颯太さんも断ってくださいね」
「いや、ワタシは、光輝の味方だよ。ハハハ」
パパは、ぼくのことが大好きだ。
いつもはのったりした動きだけど、ぼくの行動を良く見ているんだ。
よい事も悪いことも 気持ちの波がパパにはわかってしまうみたいだ。
もう少し加えるなら 人工知能を持ったアンドロイドだ。
なんだ? と思うかもしれない。
その説明をする前に言っておきたいのは、ぼくはとってもしあわせであるということ。
ぼくの名前は、黒石光輝(くろいしこうき)。
黒石というのは、表向きの苗字で 戸籍の名前は、母さんの姓の白井だ。
ということは、パパは婿養子なのかといえばそうなるけれど、正確には 母さんは、パパとの縁組をし、所有者ということになるらしい。
そもそも研究所生まれのパパに先祖や親からの名前はない。
だから、母さんの姓を名乗ることが自然なのかもしれないけれど、母さんは、結婚したのだからと戸籍を作る時に 恩師の姓を借りて名乗ることにしたのだ。
だからぼくも 二つの姓を使い分けている。
とはいっても、学校でぼくが使う名前は黒石光輝。
公的な書類や学校への提出の書類を母さんが書く時だけ 白井光輝になる。
白だの黒だのまぎらわしいけれど、ぼくはどちらも気に入っている。
気になる?ぼくの両親の名前を紹介します。
パパは、黒石ジェミノスタイル1088号颯太。長いので黒石颯太(そーた)。
母さんは、白井深優子。結婚して 黒石深優子(みゅーこ)。
名前のように新しい風に大きく立ち向かうパパと優しさの深い母さんだ。
どうして パパと母さんかって?
うーん。ぼくが言葉を覚えた時からだから ぼくにとっては大した理由はないんだけど、理由がいるなら、パパはロボットだからカタカナで 母さんはこの国では肝っ玉母さんって なんにでもおおらかなどっしりした感じがするでしょ?
あ、これを母さんに言うと不機嫌になるんだ。
そんなにぽっちゃりしてないわよ!ってね。
母さんに「お」を付けないのは おパパとは言わないでしょ。そんな理由(わけ)さ。
「光輝、また変えたのね。母さんよりずっと若いじゃないの」
「だって、この声の方が盛り上がるんだもん」
ぼくが ときどきパパの声の設定を変えると 母さんは嫌がるんだ。
母さんは、好きな声優さんの声にしているらしいんだけど、ぼくにはパパってイメージじゃない。きっと母さんは ずっと恋人気分なんだろうね。
「ちゃんと戻しておいてよ。もう。大事な話がしにくくて仕方ないわ」
「わかってるって。あ、でももう少し、えっと…あと二十分だけ待ってよ」
「まぁ! 仕方ないわね。颯太さんも断ってくださいね」
「いや、ワタシは、光輝の味方だよ。ハハハ」
パパは、ぼくのことが大好きだ。
いつもはのったりした動きだけど、ぼくの行動を良く見ているんだ。
よい事も悪いことも 気持ちの波がパパにはわかってしまうみたいだ。