して下さい♡
「花束は…」
かき氷にトッピングされたフルーツを、葉月さんがスプーンで掬います。
「─ デートの最初に、渡して欲しいです♡」
半分のぐらいまで減った宇治金時から、真一君は顔を上げました。
「…は?」
口にフルーツが到着する寸前で、葉月さんのスプーンが止まります。
「その『は?』は、なんですか?」
テーブルにスプーンを置く真一君。
「…葉月ねーちゃん」
「何でしょうか? 真一さん」
「最初に花束を渡すのは、構わないけど…」
テーブルの葉月さん側に、軽く身を乗り出します。
「そうすると…デートの間中、ずっと花束抱えて歩く事になるけど 大丈夫?」
「あ…」
真一君は、固まった葉月さんに気が付かないフリをして、自分のスプーンを手に取りました。
「ひとりで花屋に行っても、よく判らいから…」
「…」
「葉月ねーちゃん。デート終わりに、一緒に行って…選んでくれるかな?」
「し、仕方ないですね。。。」