ナルの夏休み エピソード0-0
エピソード0 その4 午後2時
部屋の時計を見た。2時を指している。
「今は午後2時ですか」
「いや午前2時。昨日のことは何も覚えていないだろう」
「えっ」
「よかった。地理の富士宮先生は、大きなミスを犯した。夏休みカムチャッカ半島に生徒たちと行く予定。責任を感じて」
「なんなの。いつも来ているパジャマじゃない。どうして、ここにいるの」
「なにも覚えてないのね。今は火曜日の午前2時。しばらく休みなさい」
看護師に言われた。
それから2時間後、窓から青い光が入った。すがすがしい朝。
作品名:ナルの夏休み エピソード0-0 作家名:こーぎープリッド