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③残念王子と闇のマル(追項有10/8)

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両腕が動かず広がった痺れで顎が小刻みに痙攣する私の様子に気がついた頭領が、カレンにカプセルを手渡す。

「よろしく。」

カレンは薬を受け取ると、それを口に含み私に口づけた。

顎が痺れカプセルを噛み砕くことができない私に、カレンはそれを噛み砕き、舌を絡ませて中和薬を含ませてくれる。

私が喉を鳴らしながら薬を嚥下するも、カレンは更に口づけを深めながら私の服に手をかけ、手早く私の服を脱がせた。

(!?頭領もいるのに!!)

思わず身をよじった私の肩に、何かがぐっと押し当てられる。

「ここ、しっかり押さえな。」

低い艶やかな声に従いながら、カレンは私を抱きしめる。

中和薬のおかげで痺れが和らいできた傷口は、どんどん痛みが強くなってきた。

けれど、カレンの口づけで頭の芯が甘く痺れ、傷口を強く押さえられても気にならない。

それにカレンに抱きしめられているおかげで、大量出血で体温が下がっているものの寒くなかった。

「ん。次こっち。」

右肩に薬を塗られ包帯を巻かれると、頭領の指示に従い、カレンは顔の角度を変えて口づけながら左肩の止血をする。

頭領とカレンは、見事な連携で手当てをしてくれた。

(まるで、ずっと一緒に仕事をしてきたみたい…。)

「ん。」

頭領は私の背負っていた荷物から従者の服を出すと、カレンにそれを渡す。

カレンは長い口づけを惜しむように唇をゆっくりと離すと、手早く服を着せてくれた。

「あとでいつもの服に着替えような。」

言いながら、私の頭を大きな手で優しく撫でてくれる。

「…どうして、ここに?」

ようやく掠れた声で訊ねると、カレンは床に落ちている忍刀を拾い、血をはらった。

風を切る音と共に、血があたりに飛び散る。

そして刃をテーブルクロスで拭うと、頭領へ忍刀を返した。

「ソラ様、ありがとうございました。」

頭領はそれを受け取りながら無言で頷くと、二本の刀を背中の鞘へ戻す。

「部屋へ軟禁される直前に、ソラ様と弟君が助けてくれたんだ。」

カレンの言葉に部屋を見回すと、理巧が部屋の中を調べているのが見えた。

そして小瓶を手にこちらへ音もなく歩み寄り、頭領にそれを渡す。

「証拠です。」

「ん。」

受け取った小瓶の液体を試薬で確認した頭領は、それを懐にしまうと再び私をふり返った。

「…行ける?」

(!)

そう言って私を見下ろす父上と理巧、私を優しく見つめるカレンの姿は窓から差し込む朝日に照らされ、神々しく輝く。

私はその美しさに目を細めると、大きく頷いて、床に落ちた毒手裏剣を回収した。