遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新
(4)
年が明けた。家族そろって駅前の神社に初詣に行き、帰りに千尋さんちでおせち料理をご馳走になり、あっくんはお年玉をもらって喜んでいた。あっくんは有ちゃんと近くのコンビニにお菓子を買いに出ていた。俺と雄介義兄さんはおせち料理をつまみに飲んでた。(*^^*)
千尋と美裕さんはソファにかけて、また樹家お宝グッズを取り出して楽しそうに話していた。健太郎義兄さんは、昼から非番になるので、勤務が終わったら千尋さんちに来るそうだ。あっくんが帰ってきたらお楽しみの【ビンゴ大会】をする。各家庭からプレゼント持ち寄りでさ♪俺もあっくんじゃないが楽しみだ。
また…あっくんは有ちゃんとコンビニの福引をしたみたいで、お気に入りキャラのノートとペンのセットが当たったみたいで、踊りながら部屋の中に入ってきた(笑)それを見た美裕が…
「私もやってこようかな?妊婦さん当たるっていうし」
「だよ!当たるんだよ!私も行こう!美裕にあやかって」
2人は今度コンビニ行った(*^^*)10分ぐらいして俺のスマホが鳴った。
「なにぃ?持って帰れんって!何が当たったんや?美裕」
「どーしたの?」雄介義兄さんが俺に聞いた。
「福引で当たった物が持って帰れないから、俺に迎えに来てって」
有ちゃんが口に手を当てた。
「有ちゃん!どうしたん?」俺は有ちゃんに聞いた。
「車で行った方がいいかも。あぁ…お酒飲んだよね」
その時だった。玄関から健太郎義兄さんの声がした。健太郎義兄さんに頼んでコンビニに行ってもらった。
俺と雄介義兄さんは玄関に運ばれてきたものを見て…腰を抜かしそうになった。美裕が当てたものは…
特等の「特大キティちゃんのぬいぐるみ」と「一等賞 キティちゃんの子供用ピアノ」だった。また千尋さんは…
ポムポムプリンの2等賞「ジューサー」と3等賞の「ホットサンドメーカー」だった。
「ホント…妊婦当たるってすごいぃ。今度は懸賞応募してみたら?美裕」
千尋さんはカラカラ当たった。あっくんは特大キティちゃんにビックリしてたな。
「うちの舞子さんもすごかった。電動自転車当たったよな。あんなのときは、バギーだぜ」
「そうだったそうだった!応募しなさい!美裕」
「うん。あっくん何が欲しい?」
「あっくんは!」と目を輝かせた。
その日は千尋さんちに泊まり、翌日は福永家に年始の挨拶に行った。年始早々ご迷惑かなと思ったけど、雅樹兄貴からお誘いの電話をもらった。家の話もしたいから、ぜひ来て!と言われて、千尋さん達も一緒に福永家に行き、高茂久先生のところにも年始のご挨拶に行った。
また、石田家の子供達と石田先生が来て広場で【凧あげ】をするから、あっくんも一緒に行こうと言われ、あっくんと有ちゃんは広場に行った。あぁ…姫子とこむぎとむぎたは、福永家の庭で遊ばせてもらった。こむぎとむぎたは、末弟のもなか君とドッグラン(雅樹兄貴が作った)で走り回っていた。かんた君とケンタロウ君は俺と美裕の横に来て、あの【かんたスマイル】をして、美裕に甘えていた。ケンタロウ君も俺の横にきて甘えてくれた。
「かんたぁ!ケンタロウさん」の春花さんの声に2匹の老犬さん達はスクッと立ち上がり、しっぽを振りながらキッチンに向かった。雅樹兄貴はそれを見てこう言った。
「春花の声は鶴の一声!呼ばれたら、おい(俺)の膝の上にいようが、行くぜ」
雅樹兄貴のお父さんも笑いながら言った。
「どげん雅樹に甘えてても、はーちゃん(春花さん)呼んだら、行くわね。雅樹なんかこの前は、かんたがしっぽ振ったときに、鼻ビシャされた」また花子お母さんも…
「はーちゃんは我が家で一番、雅樹は一番下です。子供らにも負けてるんですぅ。雅樹」
これには悪いけど、俺と美裕は笑った。
「じゃっとよ!(そうだよ)かんたなんか…春花と交際する前からおい(俺)のこと下に見てたわ。玄関で靴脱いだら、上目遣いにみよって【あがるんか】って顔するんだ。結婚してから【友達】から【父ちゃん】に昇格させてもらたけどよぉ」そこで春花さんがキッチンから出てきた。2匹の老犬も出てきた。
「うんうん。友達の雅樹君だったの…雅樹さんだって悪いのよ。かんたイジめたでしょ?忘れたの?」
春花さんに言われて、雅樹兄貴が小さくなった(笑)また、かんた君も目が勝ち誇った目をしてたな。
「雅樹はぁ…学習能力なかとね」
「ホント…毎回はーちゃんに怒られるとね」ご両親はまた笑って俺達に教えてくれた。
そうそう…設計図とモデルハウスを見せていただいて、俺達は夢がまた膨らんだ。書斎ルームもスライド式の書棚に長机だけど、センターでパーテーションも立てることができ、両サイドに大容量の引き出しがついていた。これはスゴイ!キッチンもアイランドキッチンで、収納庫も大容量だ。うぅーん!これは使いやすそうだ!また千尋さん宅は【和】をベースにして、とても落ち着いた雰囲気だった。千尋さん達も喜んでた!
「まだ施行までに1ヶ月ありますかい、ご希望があればどんどん言うてください」と雅樹兄貴が言ってくれた。
あぁ…にぎやかな声が聞こえてきた。子供達が帰ってきたみたいだ!
「あぁ…あの声は真理子第2副院長先生も一緒ね!うちのおぜんざい食べに来たな」と春花さんが言った。
「亮先生もご一緒かね?」華子お母さんが立ち上がった。
「たぶんね!先生…意外と子供達と凧あげしてたかもな」雅樹兄貴が言った。
俺と美裕は…凧あげをする亮先生こと、高茂久院長の姿を思い浮かべてちょっと笑ってしまった。似合いすぎて!
今年はのんびりした正月だった。美裕と話したが…
「去年って何してた?」と言われ…
「2人で遊んだ!いっぱいおせちとごちそう食って、まどろんでたよな」
「よね?今は…」美裕はあっくんを指さした。
あっくん…ビンゴゲームにハマっちゃってさ。お一人ビンゴゲーム遊びしてんだ。自分のおもちゃやリビングのソファクッションとかぬいぐるみ使ってさ、ビンゴゲームしてんの。
「おぉ!あたりました!ぬいぐるみのくまさんです」とか…もぉ、俺これ聞いたときは口押えて笑った。
時々…言い間違いもするしな。
「あっくんがいますぅ。あっくんは5月に兄ちゃんになるし、俺は女の子のパパぁ!美裕さん嫁にもらったし」
「逆でしょうが、順番!」美裕は俺の頭を軽く小突いた。
「うん。まぁな…あぁ楽しみだぁ。家の完成に長女の誕生に、あっくんも年長さんなるし」
「うん。パパぁ!来月から頑張ってよ!ドームツアー!東京分は見に行くからね」
「はぁい!」俺は手を挙げた。
作品名:遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新 作家名:楓 美風