遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新
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俺は青年会の副部長と餅つき大会の話をしていた。あっくんは俺の目の前でチョコクッキーを食べていた。1枚ならいいよぉって俺は言ったから。話が済んだら、今日は夕食は回転ずしに行く予定だった。青年会部長の魚屋の徹さんが模型屋に入ってきた。
「さっきさ、あっくんをジィーッと見てる人がいたぜ。オンナの人でサングラスとつばの広い帽子かぶってた」
「うちの子見てたん?」
「うん、初めはさあっくんが美味しそうにチョコクッキーを食べているの見てたのかと思ったけど、ちょっと違ったな。年末だからさ気をつけた方がいいよ」徹さんは言った。
誰だ?もし知り合いなら声をかけるんじゃないか?俺はちょっと嫌な予感がした。でもこの時は美裕には話さなかった。あっくんにもだ…年が明けたらジィジ達にちょっと探りを入れてみよう。俺は気を取り直して…
「あっくん!ママ迎えに行こう!ママ…まだきっと店の中にいるぜ」
「はーい。だよね!ママ」笑いながら、俺の方に駆けてきた。
翌日の昼過ぎに、また俺達家族は千尋さん達と一緒に【餅つき大会】に参加した。俺らは地元民じゃないけど、商店街会からご招待を受けた。毎年…ファクトリーマシャも参加してる。俺は今年初参加なので色々と准達に教えてもらった。コイツら…どこでどうスケジュールの調整をしているのか、毎年【餅つき大会】に参加している。桑さんや氷室さん達も参加してるんだぜ!商店街の名前が入った紺の法被とはちまきをして、餅をついた。もうあっくんが喜んだ喜んだ!あっくんも法被を用意してもらった。あきやくん・ふうきくんと一緒に青年部のスタッフに支えてもらって、餅つきをした。美裕と千尋さんは代わるがわるカメラを撮り、雄介義兄さんがビデオを撮った。
また…昨日の今日なのに、石田先生が言ってた【柴犬大会予選】が行われた。うちのこむぎ・むぎたも若犬で参加した。もぉ大盛り上がりだ!シニア犬の参加犬は、雅樹兄貴のところのかんた君・石田先生のところのつばさ君だった。この2匹はお母さん犬が姉妹で、よく似てる2匹だ。またすこぶる仲が良いそうだ。今の家に引っ越してから、かんた君とつばさ君はお互いの家に専用ドアがあって、そこから出入りしてるらしい(笑)
こむぎとむぎたは…第1次予選通過で商品の骨ガムをもらって大喜びだ。第2次予選は来月の年明けにあるそうだ。ちょっと芸を仕込んどかなきゃ!俺は頭の中で構想し始めた。その時だった…
「おぉい…MASATO君」後ろから呼ばれた。振り返ったら…高茂久先生だった。
あぁ…来年の病院見学の話だなとこの時は思ったが…
「美裕さんも一緒にいたら話を聞いてくれないか」と言われた。
美裕は春花さん達とテントの中でおしゃべりしていた。テントに入った俺の顔を見て…
「どうしたの?マサ君」と言った。高茂久先生が呼んでると言ったら…春花さん達が一斉に俺の顔を見た。
「な、何ですか?一体」俺がおののいていると…
「うちの雅樹兄貴から何か話なかった?」
エェ…雅樹兄貴?あぁ…( ;∀;)( ;∀;)
そういや…この前局を出る時に何か言ってたな。雅樹兄貴!
美裕は俺と春花さん達の顔を交互に見た。
作品名:遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新 作家名:楓 美風