遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新
(8)
俺はカフェに行って、千尋さんが作ってくれたオムライスと諒君が作ったプリンを食べ、スポーツ新聞を見ていた。横ではこむぎとむぎたも、おやつのガムをもらって堪能していた。あっくんは諒君と庭でまた電動自動車で遊んでる。寒いのに( 一一)よぉやるわ!諒君も気分転換と運動にもなるからって、あっくんと遊んでるしな。美裕と加奈ちゃんはキッチンで、加奈ちゃんの新製品の工程を見ている。千尋さんは銀行に行ったな!雄介義兄さんも一緒に出て行った。よってカフェのホールには俺1人(*^^*)この時間には珍しく、お客さんもいなかった。
「すっげぇ(*^^*)よぉするわ!」とか
「誰や企画したん?」
私と加奈ちゃんはキッチンで、口を押えながら笑った。歌手MASATOの独り言が面白くて( *´艸`)
「んまぁ…初日でこうだと最終日はどーなるんですかね?俺それまで体持ちますかね?」
とか…
「ップップ…MASATOさん 独り言面白い」加奈ちゃんは耐えきれなくて噴出した。
「作家業の時はもっと面白いよ。パソコンの画面のWEBカメラ起動したいといつも思うわ。ワタシ」
「変人?」
「近いかも」美裕言うてくれるやん。
「なぁに言うてるんや!美裕の方も変人クラスのくせに」俺はキッチンに向かって言い返した。
「あぁごめんねぇ!変人一歩手前のMASATO先生」2人で声をそろえて言い返しやがった。
俺は家に帰ってから、あっくんと風呂に入った。
「そう!もうカーブ曲がれるようなったん」
「うん。りょうくんがおしえてくれたぁ」
「はいはい!あぁ…今度はパパが教えてやる。特急のハンドルテクニックを」
私はバスルームの呼び出し音をONにして、親子の会話を聴いていた。
「ムチャせんといてよぉ( 一一)アンタら!ね…モアちゃん」おなかを軽く叩いた。娘は同意かポン蹴りした。
パパはまた明日の最終便で関西に赴く。私とあっくんはお留守番だ。また明日から、千尋さんが泊りに来てくれる。雄介義兄さんもだ。交代でパパが帰ってくるまで泊ってくれるそうだ。有難いことだ!
今日はあっくんはパパと寝るようだ。また…お風呂から上がってもパパにベッタリだ。私はその間に2週間の間の非常食(*^^*)作りだ!日持ちするものね!また宅急便で送る予定もある。
ところが…パパは起きてきた。
「あら、今日は一緒にネンネじゃないの?あっくんとお約束したでしょ」
「寝るまではね!また横で寝るぅ。ママぁ!おいでおいで」
私を手招きした。
翌日、三ちゃんが家まで迎えに来てパパは関西へ旅立った。
「ったくぅ( 一一)あれは計画的だな!パパ」
私は洗面所で、ブラウスのボタンをはずして、自分の胸元を見た。そう…安定期に入ったので、この頃は私の体調を見て仲良しの時間を持っていた。妊娠前クラスはムリだけど、真理子第2副院長先生がそろそろ…パパをかまってやれと言ったので、私もあっくんが幼稚舎に行ってる時に小冊子を読んだのだ。スキンシップレベルでいいからと言われた。おかげで、この頃…パパご機嫌さんだし、気合入ってるし、だからドームコンサート初日も大成功だったと私は思っている。私はボタンを留めて…
「ったくぅ(*^^*)まぁ…いいか。パパがご機嫌さんなら」私はパパの歯ブラシを指で突っついた。
美裕からラインだ(*^^*)飛行機の中は機内モードだから、ホテルの部屋に入ってからタブレットを見た。スマホも見たけど、家族ラインはタブレットで見る。写真付きが多いから。
「ご、ごめんね。ママ」
美裕のラインメッセージに 怒り顔の絵文字が入ってた。すんません…昨日、あっくんが寝てからベッドから出て、美裕とお風呂とスキンシップタイムをとった俺です。妊娠前の仲良しタイムはムリだけど、素肌で触れ合うのもいいんだ。美裕も小冊子を読んでるからね。小冊子通りに仲良しバージョンした。真理子第2副院長先生作だ!あれは書籍化されたらすごく売れると思うんだけどな。真理子第2副院長先生はその気なしだ。(*^^*)
俺はベッドサイドの時計を見た。23時半かぁ(*^^*)微妙だな。5コールして出んかったら切ろう!俺はスマホを手にしてダイヤルした。
今日は雄介義兄さんがあっくんとお風呂に入った。雄介義兄さんは久しぶりに子供とお風呂に入るもんだから、テンション高かった(*^^*)あっくんより笑ってたんじゃない?夕ご飯も一緒に食べて、お風呂に入って、寝る前にあっくんと絵本読んで、静かだなと思ったら…あっくんも雄介義兄さんも寝てた。(*^^*)
千尋さんが言った。
「もぉ…はしゃぎすぎぃ!昨日から家でおもちゃ選択に、あっくんとこれで遊ぶんだ!とか!大樹が遊んでおもちゃ引っ張り出してね!まぁ子供達は大きくなったら1人で入るしね。今の内だけだよ!親と一緒に入ってくれるの」
「マサ君も言ってた。今のうちに入っとかんと!って」
「うん。私お風呂入ってくるわね」千尋さんはバスルームに行った。
聞き慣れた着信音!スマホを手に取ると…
「すんません!」が第一声だった。マサ君ことパパだ。
「どちらさんですか?」ワザと言ってやった。
「美裕ぉ…怒らんといてぇな。な!神戸のお土産すぐ送るから」
「プラスね!」
「わかってますぅ。あのなぁ…」また嬉しそうに話し出すマサ君ことパパだ。
私は電話を切ってから、リビングの引き出しを見た。中には青いフォトブックが入っていた。
「これ見て、寂しいの我慢してね。あっくんと」と言ったパパだ。
明日ぁ…あっくんと見よう。夜に見るものではないわ(*^^*)今日はあのベッドで1人で寝なきゃいけない。
あっくんは雄介義兄さんと寝てるし、千尋さんもその横で寝るから。私はまた引き出しを閉めた。
作品名:遅くない、スタートライン 第3部 第5話10/14更新 作家名:楓 美風