こんな所に。。。
「ぎ、銀星堂に、寄らない?」
公園から、いつもの喫茶店へ向かう道の途中。
和香さんが口にしたのは、大型書店の名前でした。
正也君が顔を顰めます。
「…帰りになら。」
「えー どうしてぇ?」
いきなり立ち止まる和香さん。
手を繋いでいた正也君は数歩先で止まります。
「さっきの本の続き…買うんでしょう?」
「そう♡」
「先が気になる本が手元にあったら、我慢出来ない人でしょ? 和香は」
振り返った正也君に、和香さんは縋り寄りました。
「や、約束する! デート中には読まないし!!」
「─ ホントに?」
首がちぎれる勢いで頷かれ、正也君は渋々折れます。
「仕方ないなぁ。。。」