見覚えのある(双子と三つ子)
「よーちゃん♡」
呼ばれた声の方向に顔向ける僕と洋介。
廊下を歩いて近づいて来たのは、つい先程別れた女子と 瓜二つの容姿の人物だった。
(今度こそ、佐美さん?)
僕が口に出さなかった予想は、洋介に否定される。
「何ですか、多美さん?」
「今度の日曜日は…私と、デートしよ♡」
「…」
「姿形はおんなじだから、問題ないでしょ♡」
「─ 拗ねた さぁーは、面倒くさいですよ?」
「うん、ほんの冗談だから。佐美ちゃんには、内緒にしといて♡」
作品名:見覚えのある(双子と三つ子) 作家名:紀之介