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遅くない、スタートライン第3部 第4話 10/3更新

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(4)

マサ君は、当日の収録の時に私に同行してもらいたかったが…私が一緒に行けば一層カラかわれるぞ!と兄貴達に言われて肩を落として三ちゃんの運転するVANに乗り込んだ。頑張ってね ( ;∀;) マサ君としか言えなかったわ。ワタシ…( ;´Д`)

収録が終わって帰ってきた時には、おなかも空いてるだろうしノドも渇いたと思ったから、ちょうど定休日の私は休憩しながらも、マサ君の好きな物をオンパレードにして食卓に並べた。春花さんはそーしなさいと言った。これで何度…雅樹兄貴のご機嫌をなおしたことかと…笑いながら言った。

案の定…マサ君は隣にいたあっくんがビックリするぐらい、食べて飲んだ。あっくんも負けずに食べたけどね!

あぁ…こんなこともあった。マサ君こと作家・MASATO先生が手掛けたスィーツロード第1部が視聴率が上位ランキングしたので、テレビ局長賞を頂いた。第2部の視聴率がまた良ければ2時間SP(スペシャル)の話もこの時に浮上した。私も雅樹兄貴から、スィーツロードで使った写真が良かったので、【Mihiro’s PHOTO集】を出さないかとお話をいただいた。体調を見ながらスケジュールを組むし、雅樹兄貴はダブルふたごちゃんの育児本を出した人だ。私の体調やおなかの中のモアちゃんの様子を見ながら、出版をサポートしてくれると言った。

今は…カフェの手の空いてる時間で、柴犬姉弟とラブの姫子さんにモデルをお願いし撮影している。この前は、ホイップを泡立ててる諒君の顔と、それを見守る加奈ちゃんの顔をがとてもよかったので、撮影させてもらった。千尋さんも調理している顔…レジに立っている時の顔や雄介義兄さんと話をしている顔も撮った。あぁ…有ちゃんもバイト仲間と楽しそうに話をしている顔を撮ったな。MASATO先生も個室部屋で執筆中の姿を許可をもらって撮影した。

あっくんのシーンも結構な枚数を撮った。子供の表情は1日1日と変化している。最近はモアちゃんのお兄ちゃんエンジンがかかっているので、あっくんの口癖は【あっくん、にいちゃんになるし】だ。私達と暮らしだしたあっくんは、神戸弁が移ってしまったのか?神戸弁をしゃべるようになり、施設にいるジィジ達を驚かせている。

「カットぉ!!」の声が聞こえて、スタジオ内の緊張感が緩んだ。俺も上を向いて息を吐いた。
「お疲れ様!今の表情とても良かった!誰の事思ってなんて聞かへんで。俺」
樹先生は俺の顔見て笑った。同じ妊婦妻がいて、出身地も近い!俺らはすぐに仲良くなった!樹先生の方が2歳上だけどね。大阪弁と神戸弁でしゃべってウケて笑いまくってる俺らを、スタッフも楽しそうに見ていた。

「せや!うちの遥花もすぐ調子コクねん!2人目とあってな!心琴(みこと)ん時もつわり軽いからって」
「うちもですぅ。朝夕ちょっと気分悪いけど、オレンジ漬け食べて炭酸水飲んだら落ち着くから。この前も俺が見てなかったら、小走りしてるんちゃうかって思うフシがありましたの」
「目を皿のようにしとけよ。お調子者の妻を持つとな!」
「へぇい!樹兄貴」俺らはお互いに笑いあった。

今日は高茂久総合病院の診察日だった。マサ君は検診についてきたそうだったが、仕事があり私は電車とバスを使って検診に行った。おなかのモアちゃんも元気だった。もうすぐ胎動が聞こえるかもと真理子第2副院長先生に言われた。楽しみだ…今日もエコー写真もらったし、後でマサ君とあっくんに見せてやろう!私はもらったエコー写真をバックに入れ、カフェテリアに行った。カフェテリアで春花さん達とランチの約束をしたんだ。

先輩ママ達はいろんなことをアドバイスしてくれる。また私が出産する時は春花さんが助産師を担当してくれることになった。樹先生の奥さん・遥花さんは将太兄貴の奥さん・揺子先生が担当することになった。また妊娠時期のパパさんの対応も細かく教えてくれた。さすが…先輩ママさんだ。また…先輩ママ達からもう着なくなったベビー服も頂けることになった。助かるわ( *´艸`)

「ねぇねぇ…いつオンエアだっけ?MASATO先生の」美咲さんが聞いた。
「エッと確かぁ…」私は頭の中で思い出そうとした。
春花さんがまた、あの春花スマイルをした。
「わからなくても、MASATO先生が美裕ちゃんのご機嫌取り出したら、オンエアは近いと思った方がいいわ」
その言葉に、先輩ママ達はうんうんと…うなづいていた。なるほど…

これから、マサ君を観察してみることにした私だ。

時は流れて、あっくんの幼稚舎の少し早いクリスマス会が行われた。あっくんはお友達と幼稚舎にいる間に作ったおもちゃをプレゼント交換した。プレゼント交換したものを私に嬉しそうに見せてくれた。あっくん…最近は【さやかちゃん】という女の子と仲が良いのだ。みはるちゃんとも仲がいいが…さやかちゃんとお絵かきごっこをするのが好きで、またさやかちゃんは、お工作も得意なのだ。アルミホイルと色紙で作った、おさかなセットをあっくんにくれたのだ。あっくんはさやかちゃんのお顔を書いてプレゼントしたみたいだ。聞いても教えてくれなかった!さやかちゃんのママから聞いたんです。はい…

「マセてるなぁ!」とマサ君ことパパは…声は怒ってたけど顔は笑ってたが。
「いいんでない?息子モテたほうがいいでしょう」と言ってやった私だ。

この頃…無意識におなかに手をあてるのがクセになった私だ。私がおなかに手を当てると、あっくんもマサ君パパもマネする。おなかに手を当てて必ず…
「モアちゃん、帰ってきましたでぇ。ただいま」とご挨拶した。
「おかえりぃ!ってモアちゃんの代わりにご挨拶しておきます」
「はいはい。あぁ…今日な!兄貴ら言われたぁ」

また。雅樹兄貴達から何を教えてもらったんだ?マサ君パパは!カウンターの卓上カレンダーを持ってきて、
「もうすぐ18周やろ?性別わかったか?って。うち胎動もまだやもんな」
「うーん。今度の検診でわかるって真理子第2副院長先生は言うてたけど、このモアちゃんシャイだから、胎動はまだよ。エコーでは元気よく動いてるけど」
「だよな…いつ動くんかな?あっくんの時は俺…おなかもあんまり触らんかったか。その分モアちゃんは触りまくってるけどな。あっくんは1日何回なでる?」
「もぉ…気がついたらおなかに手を当ててるわ。今日はプレゼントのおさかなをおなかにつけてねぇ。わかる?って言うてた。あぁ…さやかちゃんのママも今妊娠中でね。さやかちゃんはあっくんに聞いて、ママのおなか触り始めたそうよ」
「そう( *´艸`) うちと1ヶ月違いかな?6月やった?」
「うん。でももぉ…胎動もあって男の子確定って!」
「そーなん。うちは来週かな?エェ…美裕どーしたん?おなか痛いん?」

今まで楽しそうに話してた美裕の動きが止まった。美裕の手がおなかを押えていた。
「……あんまり、よその赤ちゃんと比べたらあかんみたいよ。この子…今…おなかの中で蹴った!」
「う、うそぉ!マジで!俺も触らせて」

俺は驚いて、美裕の手の横に自分の手を置いた。