小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

遅くない、スタートライン第3部 第4話 10/3更新

INDEX|5ページ/13ページ|

次のページ前のページ
 

(3)

俺はあっくんに、美裕のおなかに手を当てさせてこう言った。
「ここにさ…あっくんの弟か妹がいるんだ。来年の春に産まれるんだ。ママのおなかの中に赤ちゃんいるんだ」
「あかちゃん?」俺と美裕はうんうん…うなづいた。
「あっくん…お兄ちゃんだよ。どっちがほしい?おとーと・いもーと」
美裕はあっくん手の上から自分の手を重ねた。

「ぼくぅ…いもうとがいい!」え、弟じゃないのか?(笑)
「そうかぁ!じゃ…パパとママにお約束してくれ」俺は小指を出した。

あっくんは小指を出して、俺の小指に指を絡めた。
「いい?ママはもう一緒に走ったりできないから、ママといる時は走らないこと!ママに飛びついたりしないこと、パパの時は大丈夫だからさ、よろしく頼みますよ。あっくん兄ちゃん」
「はぁーい!」あっくんは元気よく手を上げてお返事してくれた。

千尋さんと諒君達には美裕は妊娠したことを話したが、他は安定期入ったら報告でいいかと思ったが、あっくん兄ちゃんのおしゃべり雀がバラしたんだ。幼稚舎で!幼稚舎でしゃべる→あきやくん達に話してる→石田先生に話す→雅樹兄貴達にバレる→准達にバレる→大ドンにわかる( 一一)の行程式で美裕の妊娠がわかってしまった。

2回目の診察も俺も一緒に行った時だ!2回目は2週間後だった。美裕は妊娠9周に入っていた。この前の診察で週明けには7周に入ると言われてたからな。美裕はしょうたくんの時は、妊娠と気づかずにただ、朝起きたら気分が悪く、またその当時は老舗ショップの人間関係がゴタゴタしていたので、てっきり【胃炎】だと思っていた。あきら先生との仲良しの過程は頭の中になかったそうだ。

「ドッ!ドッ!ドッ!」すっげぇ音がした。おなかの中から聞こえてくるんだ。その音を聞いて美裕は嬉しそうな顔をした。おなかはまだペッタンコだけど、真理子第2副院長先生はこれぐらいの時期は卵1個分の子宮の大きさになっていると言った。

「すこぶる元気な子だね!美裕さん…つわりはある?」
これがぁ ( 一一)……
「前回はあったみたいなんですけど、今回は朝と夕方にちょっと気分が悪いかなってレベルです」
……らしいんだ。しょうたくんの時はいろんな事が重なっていたから、美裕もこれが【つわり】とは確定できなかったらしい。

「軽度で良かったね!うんうん…また2週間後いらっしゃい!はい、そこのMASATOパパが喜ぶんもあげる」
俺に4Dエコーで取った胎児の写真をくれた真理子第2副院長先生だ。嬉しいぃ( *´艸`)

「MASATOぉ!今日…漢方外来で桑さん来てるぞ。上手くカワして逃げな」
その一言に俺は、顔が青ざめたのは言うまでもない。美裕はカラかわないだろけど!!

案の定…待ち伏せされていた。産婦人科のフロアーを出たところで…コックスタイルの雅樹兄貴(カフェテリアの調理師さんでもある)とまた整形外科で診察を受けていた 樹先生と偶然か、診察に来ていた氷室さんが待っていた。
「マ・サ・トくぅーん・美裕ちゃん」大ドンのスマイルに俺と美裕は顔が引きつった。

カフェテリアでまた…高茂久院長までがいた。桑さんに呼ばれたらしい( 一一) 

准の奥さん・梨子ちゃんが美裕に低カロリー・糖質オフのババロアを持ってきてくれて、タッパには【オレンジ漬け】をくれた。梨子ちゃんが開発した妊婦さんメニューの一つだ。美裕は喜んで食べていた!美裕はカラかわない約束で俺はカフェテリアで桑さんとお茶した。美裕は別テーブルで、雅樹兄貴の奥さん・福永春花秘書と石田美咲秘書とで楽しそうにお茶してた。梨子さんも入って!あぁ…この人もいた。本郷さんこと将太兄貴の奥さんもここの病院で【助産師】をしていた。揺子先生だ!アンタ…ここはそーいう職場だよ。兄貴達の奥さん・ダチの奥さんの集まりだ。!あぁ…久美子さんがきた!久美子さんは漢方外来の看護師長だ!久美子さんがきたぁと思ったら、整形外科の樹先生の奥さん・石塚遥花主任さんも来て、その席は賑やかだった。俺もそっち行きたい!

「あっち行きたい?MASATOパパ」
「行ってもいいけど、しゃべってからな」大ドン2人ににこやかにスマイルされた俺だ。にこやかほと怖いものはない。俺は頭をかきながら…赤くなりながらしゃべった。兄貴達はヘタに助けれないし、自分が突っ込まれてもイヤだからな。黙ってた( 一一)

「ほぉ…めでたい子だな。えぇ…予定日はそんなハッピーな出来事ですか?あぁ!しゃべれ!!しゃべらんかったら、学校長に電話して聞くぞ。MASATO」まで脅された。

私は気にもなりつつ、春花さん達から【赤ちゃん話】で盛り上がっていた。美咲さんが春花さんのお皿にブラウニーを入れて、春花さんは美咲さんのお皿にオレンジピールを入れた。この2人…甘いもの大好きで一緒に来ては、交換し食べてるそうだ。かっわいい( *´艸`)

あ、樹先生の奥様!マタニティーナース服を着ている。私はそれに目が留まった。
「うん。昨日で安定期に入ったから今日から職場復帰ぃ!やっとぉよぉ!うちのおとんが許可したの」
おとん…とは樹先生の事だ。
「いっくん…兄貴達に教育されてるからチェック厳しいの。MASATOさんもそーなるからね」
笑いながら、久美子さんが言った。樹先生のところは3月月末に第2子出産予定だそうです。( *´艸`)

春花さんは自分のスマホを操作していた。クスクス笑っているのを見て美咲さんが横から覗き込み、梨子さんが私に教えてくれた。
「突っ込まれまくりんで、明後日急遽…桑さんの番組に呼ばれたみたい。MASATOパパ」
「エェ…」私は思わず口を手で押さえた。声をあげてはいけないと美咲さんに言われたから。

「桑さん…好きなの。ご懐妊ニュースが!」この声に女性陣が一斉にうなづいた。

マサ君こと…MASATOパパは帰りの車の中でハンドルに頭をつけていた。歌手・MASATO仕事ならこうではないんだが、明日は桑さんが急遽番組内容を変更し、【MASATOの日常】をテーマにトークしようと言ったらしい。ダチの准さんと雅樹兄貴・竜生兄貴も一緒に出るそうだ。大ドン・桑さんが出演を決めたら兄貴・ブラザーズは【はい】と返事するしかないからぁ ( 一一) どうなることやら…


「んもぉ…何でこうなるんやぁ。俺的には今月は作家業専念しようと思ってたのにぃ」
ハンドルに頭をつけながら、マサ君はつぶやいた。私も一緒に出演と言われたが、高茂久先生が止めてくれたのだ。安定期に入ってないからダメェ!って。ま、桑さん達も高茂久先生言われたら大人しく引っ込んだそうだ。

「美裕ぉ…おまえ自分はラッキーなんて思ってないよな?」
「うん。もちろん…思ってないよ」とちょっと笑って答えた美裕だが( 一一)絶対…思ってるわ。