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遅くない、スタートライン第3部 第4話 10/3更新

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(2)
美裕が帰ってきた。なんか考え事してる顔だな?

「おかえりぃ!どーした?町内会でなんかあったか?」
俺はお皿を拭いていた手をとめて、美裕に言った。
「あっくんは?」
「あっくん…今日はもう寝たわ。お茶入れようか?」
「うん」あれ…何だか元気ない?いや…あの顔は迷ってる顔だ。

俺は美裕のマグカップにほうじ茶を入れた。美裕さっきから卓上カレンダーばかり見てる。
「どーしたん?町内会から大量注文か?」
「その話もあったけど…」
「も?」
「マサ君…あのね」ちょっと顔を赤くした美裕が卓上カレンダーを指さした。

俺は指を折ってカウントした。美裕がカウントしてみてと…言ったから。
「え、エェ!!マジで?マジ?」俺は自分の指をまた見た。
美裕はちょっと笑いながら…

「うん。もしかして…そうかなと思って。前は気づくのが遅かったから」
「検査薬したん?」美裕は首を振った。
「俺さっき…指でカウントしたのは!2週間遅れないし、それ以上?」
「うん。ごめんなさい。最近基礎体温測ってなくて。ほらサイン会とかあって忙しかったでしょ?だから遅れてるのかと思ったの」
俺はツバを飲み込んだ。2週間以上だ…これは妊娠可能性大だな!
「俺…今からドラックストア行ってくるわ。した方がいい!」
美裕は笑いながら…バックから袋を出した。

「行ってきなさい!」俺はトイレを指さした。

翌日…俺は高茂久総合病院の第2副院長真理子先生に電話をした。先生は快く診察を引き受けてくれた。本来は紹介状がなければ診察は受けれないんだ。ラッキーだった!先生の名刺をもらってて!

その日の昼前に予約が取れて、美裕は診察を受けた。俺ももちろん一緒だ!妊娠反応検査薬のスティックを持っていき、問診を書きそのまま診察となった。診察してからすぐに真理子第2副院長先生が声を上げた。

「あらら…美裕っち!正確なとこどーなの?あっくん来てから基礎体温つけてた?」
「……すみません。つけてません…つけても何日か抜けてたりして」
「そぉ…まっさとぉ!ダイレクトに聞く!仲良ししたの最後イツだ?」
唐突な質問に俺は、口がパクパク状態になった。この先生はそーいう先生なんだって兄貴達から聞かされてたのに。

「え、えっと…エェ…美裕いつだっけ?」俺はオタオタした。
「ま、マサ君」美裕は俺の手を引っ張った。そして耳元でささやいた。
「えっと…俺が歌手復帰初のタモさんの番組出た時です」
看護師さんが真理子第2副院長先生にカレンダーを見せた。カーテン越しにそれがわかった。

「了解!じゃ…いいもの聞かせてあげる」と言った真理子第2副院長先生だった。

美裕は手にした【母子手帳】を嬉しそうに眺めていた。そうなんだ…美裕がやはり妊娠していた。
診察が終わって真理子第2副院長先生から言われた。

「おめでとうございます。美裕さん…妊娠2ヶ月6週で5月16日が出産予定日です。まさっとぉ…狙ったのか?」
この言葉に俺と美裕が赤くなったのは言うまでもない。

「心拍も聞けてよかった。しょうたの時はいきなり心音だったから」
「そりゃビックリだよな。俺まだ…真理子第2副院長先生の言葉まだ頭の中でリピートしてるわ。俺狙ったわけじゃないよ?予定日だけど」
「そ、そこまで計算してないでしょ?エッチなマサ君は」赤い顔をして笑った美裕だ。
「よね?あれ以来…仲良ししてないよね?」
「うん。アンタ…あの後俺はほぼ毎日仕事で、夜も爆睡だったでしょ?」
「だよねぇ!じゃスィートルームの子だ。胎児名考えてね!あっくんにもちゃんと言ってね。パパ」
「あぃ…あぁ名前はね!もう考えました。モアちゃんだ!セカンドシングル歌った時の子だ!あっくんには今日話すよ。紅葉狩り行きたいって言ってたけど、美裕はお留守番だな」
「ライブ配信して!あっくんと歩いてるつもりで話すから。安定期入ったらお出かけできるよ」
「了解!」俺はいつもより安全運転で家に帰った。