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遅くない、スタートライン 第3部 第2話 9/18-2更新

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(4)

あきとを連れてカフェに行った。ちょうどティータイムのお客様が一段落していて、数人のお客様はもうスィーツを食べ始めていた。美裕もカウンターにでてきて、仕入れ伝票をチェックしていた。あきとは足音を立てずに美裕に近づいた。美裕わかってるんだろ?背中が小刻みに震えてるし、また諒君も口で手を押えて笑いを堪えていた。案の定…あきとが美裕を驚かそうと思って指を出した途端…美裕は体の向きを変えて、あきとを抱き上げた。

「みひろちゃんは何でも知ってるんだぁ。あきとくん、いらっしゃいぃ!」とあの美裕スマイルをした。また美裕スマイルをされた、あきとの顔も嬉しそうで、俺に断りもなしに(笑)美裕の胸に顔をうずめて笑い声をあげた。俺は千尋さんに目線で「怒っちゃだめ」と言われたような気がして耐えた ( 一一)

あきとは諒君の試作のりんごのカップケーキと美裕の焼いたちびマドレーヌを美味しそうに食べ、千尋さんからヤクルトをもらってご機嫌だ。ヤクルトについてたオマケのおもちゃが、あきとの好きなキャラだ。カフェのカウンターで遊び始めた。

「願書受け取りに行って、もうそこまで決まったの?」
美裕と千尋さんは俺の話を聞いて驚いている。俺も驚いてるもん!幼稚舎の施設を案内してもらって、偶然にも今日は幼稚舎の園長先生がお部屋にいらして、竜生兄貴の紹介もあるかもしれないけどお話ができた。

「うん。俺らが日曜日から旅行に出ることも言ったんだ。そしたらさ…」
園長先生は、あきとくんを見ながら適度にあきとくんに質問し、マサ君にも質問した。マサ君…あのキャラで隠さず素直に今の状況とこれからの新生活を園長先生に話した。これが好印象だったのか?

「明後日に第1弾の面接組がいるんだって。今回は3名募集で1名はもう決まってるんだ。明後日の午後1時に面接し、あきとはお絵かきと簡単な知能テストすることになったんだ。知能テストは勉強しなくていいと言われた。俺は家庭の事情を話したから、付き添いは俺1人でいいって言われたわ。合格発表は当日中に連絡だって」

千尋さんは大樹君・有ちゃんの友達のなかにあきとが受験する幼稚舎を卒業した人を思い出したみたいで、ラインでそのママたちと連絡を取り、最近の幼稚舎の様子を聞いてくれた。大学院までエスカレーター式であがって、まだ現役もいるみたいだ。
「今回の欠員募集は、一般公開されてなくて【お口添え】か【紹介】しか受け付けてないんだって。あきとくん!大丈夫なんじゃない?竜生さんの紹介だし、竜生さん今年は幼稚舎年少組の親子会会長してるし」
「そ、そうなんですか?俺てっきりただの【紹介】だと思ってたから、あちゃ…でも、あきとラッキーだったんですね。すぐに面接日も決まったし、そういえば…園長先生があきとに「すぐにここにきたい?」とかって聞いてたな。もちろん、あきとは【はい】のお返事だったけど」

俺の言葉に、千尋さんと美裕はお互いの顔を見てうなづいた。
「明後日の面接に向けて、雅人パパ!今から特訓ね。面接官は私ぃ!」と千尋さんに言われた俺だ。こえぇ( ;∀;)俺は反射的に雄介義兄を見たが、雄介義兄さんは両手で顔を覆っていた。千尋さんの言うことは【絶対】だからな。俺…面接日まで千尋さんの特訓を受けることになった。美裕は【発言権なし】だ…健太郎義兄さんもね!娘の有ちゃんは笑ってたけど?

俺が千尋さんの面接特訓を受けてる間に、あきとは美裕と買い物に行ったり、諒君の休憩時間に遊んでもらったりしてご機嫌だ。また、あきとは美裕のピアノが好きみたいで、アニメドラマの主題歌を弾いてもらったみたいで、ピアノで弾いた曲を有ちゃんがダビングし、その曲を着信音に設定してもらったから、有ちゃんや諒君に頼んで自分のキッズ携帯に電話をかけてもらって喜んでいた。

俺は遊び疲れて、ベッドに眠るあきとの顔を見てため息をついた。
「いいよなぁ…おまえは!俺なんか……もうクテクテ( 一一)だぜ」
後ろでクスクス笑いながら、コーヒーをドリップしてる人は俺の面接特訓を面白がってる傾向もある。

「あきとが言うみたいに魔法かけてくんないかな?そこで笑ってる人!」
「いやよぉ( *´艸`)下心見え見えの人には魔法かけてあげないわ。今日はあきとくんと寝れば?」
「み、美裕ぉ!!ってめぇ…ッデェ」
美裕は俺のハラに軽くボディブローを入れた。
「お口悪いでぇ!千尋さんにラインするわよ」とあの美裕スマイルをした。姉妹で俺いたぶりやがって!後で健太郎義兄さんにラインしてやる。
「健兄ぃは千尋さんに絶対服従の人よ。ワタシもね!まだわかんないのぉ?樹家のしきたり」
またクスクス笑う美裕だった。


ま、ずっといじめられたわけじゃない。面接の前日は俺の【お願い】を聞いてもらえたから良かったけど。