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過ぎゆく日々

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伝 統


 正月の風物詩、箱根駅伝。
 毎年、大手町の号砲で年の始まりを感じ、翌日のゴールで正月の終わりを迎えた気分になる。
 今年は101回大会。伝統の重みが感じられる。同じように、夏の甲子園も昨年で106回を数えた。
 学生スポーツにおいて、なぜか野球は高校生、駅伝は大学生がピタリとはまるように思う。多くの周囲の人を巻き込み、大々的に開かれるこれらの大会。だからこそ、伝統という言葉が当てはまり、長く続いているのだろう。
 
 甲子園で選手たちはみな、並外れた努力は元より、礼儀や感謝の心を学び、箱根では強靱な精神力と忍耐力を得る。そして何より大切なチームワーク。それらを身につけ、彼らは社会人へと羽ばたいていく。
 もちろん、華々しい舞台へとたどり着けなかった選手たちが数多存在する。そんな彼らも、それぞれが貴重な体験を積み重ね、晴れ舞台に立った者たちと同じ成長を遂げているに違いない。
 また他の学生スポーツも、同じように様々な経験、鍛練を積み大人へとの大きなステップにしている。
 
 これら学生によるスポーツ大会は、日本人の気質に合っているのだと思う。だからこそ、多くのファンが存在し大会を支えている。
 きっとこれからも、ずっと続いていくであろう。そして、多くのドラマや感動を多くの人々に与え続けてくれることだろう。



              2025.1.11

            

作品名:過ぎゆく日々 作家名:鏡湖