田舎の工場での奇想天外な出来事
第8話:ヤクザの都落ち事件2
何とか雇ってくれと言うので、わかった、
掛け合ってみようと伝えた。
もし、喧嘩したら、ただじゃ済まない事は肝に銘じておけと、
思いっきり怖い顔して、ドスのきいた声で、言い放った。
わかったよ、言う通りにするよと、言ったのである。
そこで工場長に、話の一部始終を伝えてた。何かもめ事があれば、
警察を呼ぶと言う条件付きで、雇う事にしてもらった。
それを、彼に伝え、空いてる社宅の一つを使わせる事にした。
彼は、兄ちゃん恩に着るぜ、もし何かあったら力になるぜと言った。
あのね、そこで、何かあったら困るんだよと、笑って答えた。
そして、彼が暴れたら、即刻クビで、警察を呼ぶと言う条件付きでの、採用だと言う事をしっかり、話しておいた。
社宅の件も話すと、兄ちゃん、ありがとう、恩にきるぜ、
地獄に仏とは、こういう事を言うんだなと、殊勝な事を言っていた。
その晩、風呂上がりに、ビールを飲むと、彼はニコニコして
喜んでいたが、いちいち、背中をたたく癖があるらしく、
翌日、背中が赤くなっていたのであった。
それからと言うもの、彼は、妙に、大人しく、礼儀正しく、
朝早く起きて出勤してくる人、全員に、
お早うの挨拶をしたのであった。
何せ、怖い顔なので、早足で自分の持ち場に入る
従業員が多いのには笑った。
工場の職長に紹介して、仕事を教えてやるように指示した。
一週間が過ぎ、すっかり職場に慣れてきた様で社内でも
よく働くし、何せ、力持ちなので、思いものを運ばせたら、
彼にかなうものはいないとまで言われるようになった。
作品名:田舎の工場での奇想天外な出来事 作家名:harimao65