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田舎の工場での奇想天外な出来事

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 第11話:納品先の工場倒産1
 親しくしている鋳物工場に、納品した品物を、
倒産直前に全て、回収する話。
 新製品開発の最終段階で実際に鋳物を
使った新製品の性能試験は、長いつきあいのある北関東の
鋳物工場で行っていた。
 当時、鋳物産業は斜陽化の一途をたどり、儲けが少なく、
どこの会社でも、不景気な話ばかりであった。
 数年前のオイルショックが、未だに尾を引いてるのであった。
 この日も、いつも通り、新製品の性能試験に行く日であった。
 その直前に本社からの電話が入った、その会社が
明日倒産するという、情報が、入ったのであった。
 そこで納入した製品を全部、持ち帰って
こいとの指令であった。
そこで工場長と善後策を考えて、私が発送部の大型トラックに
分乗して、その工場へ行き、不良品を間違って納品したので、
回収するという名目で、在庫品を全部回収する事になった。
 仕方なく私を含め三人で、出かける事になった。二時間後、
その工場に着き、相手の工場長に、不良品を納品してしまって
申し訳ないと、謝り在庫品を交換するので、いったん引き上げ、
正規品を明日にでも、持参すると言う事で了解してもらった。
 昼になり、工場の食堂で、その工場の仲の良い人と、
いつもの様に、明るく話しながら昼食をとる事となった。
 顔見知りの面々と、顔をあわせるのが、辛くて、うつむき加減で、
食べていると知り合いの、その工場の技術屋さんが、
おまえの会社、不良品を納品したんだって、信じられないよ。
そんな事していたら、競合メーカーに、市場をとられるぞ、
しっかりしろよと、笑いながら言われた。