田舎の工場での奇想天外な出来事
第10話:ヤクザの都落ち事件4
だから、最後の、ここ一番という所で、情けをかけちゃうんだ。
でも、そう言う半端者は、この世界じゃ生きていけないのさ、
だから、追っ手が、俺をを捜し回っているんだとの事であった。
何か、わかるような、わかんないような話であったが、
妙に、親近感の持てる男だと、思えるのが、おかしかった。
帰ろうというと、そうしようと言う事で、代行を頼んだ。
かなり酔いが回ったので、勘定済ませて帰ろうとした時、
彼が、兄ちゃんに払わせたら、お天道様に笑われると
いいだしたのであった。それじゃ頼むと言い、外で待つ事にした。
そこで、待つ間に、代行を呼ぶ事にした。
少ししたら、彼が、出てきてた。その後、代行の車がやってきた。
そして代行の若者が、こんな大きなアメ車、
始めてだと喜んでいた。
コラムシフトのオートマチックすげーなと驚いていた。
彼が、良い車だろうと誇らしげに色々と車の事を話していた。
年が明けて、翌年の一月の中旬の寒い朝、
その事件が起こったのであった。
やくざあがりの彼が急に姿をくらましたのである。
彼の外車と共に、煙の様に、消えてしまったのであった。
その事件は、やっぱりなー程度で済んだが、その月の月末に、
ガソリンスタンドや、飲み屋から、彼のツケの分の取り立ての
電話が鳴ったのであった。
飲み屋が、二ケ月分で二万円、ガソリンスタンドは、
一ヶ月分で一万円、合計三万円の請求であった。
工場長に相談して、彼が1月、中旬退職だから、
半月分の給料から、その分を払う事で、解決できた。
こんな、小説になりそうな事が、実際に起こるとは、
夢にも思わない北島であった。
作品名:田舎の工場での奇想天外な出来事 作家名:harimao65