社会に不適合な二人の
鈍感というか平坦どころか、もう捻れてる
私が一人だけ知らないことがるという話。
仲の良い同級生の結婚式の呼ばれたので、ついほいほいと式に行ってしまったときのこと。
他に呼ばれていた同級生と既に結婚した同級の話になりました。
「まさか○○ちゃんが結婚するとはねー。」
「ほんとにね。」
「これで、同級生で結婚したの何人ぐらい?」
「えっと、AさんとBくんと――」
「あー、結婚したんだよね。あの二人大学から付き合ってたもんね。」
「え?」
「え?」
「違うよ?AさんとBくんはそれぞれ別の人と結婚したんだよ。」
「え?」
「知らなかったの?」
「うそー……。」
「冗談だよね?」
「いやいや、初めて聞いたよ。二人が結婚したのは知ってるけど、一緒になったと思ってて。」
「それ二人に言ったらまずいよ。」
「ですよねー。この前○○ちゃんと話したときにも、結婚したんだよねって話にはなったけど。」
「知らなかったの?」
「なんでみんな教えてくれないのかなあ。」
「まあ、だって、なんか全部知ってそうな顔してるよね。」
うんうん、と他の同級生が同意して、「なにそれ」とも言えなくなりました。
どんな顔でしょうか、それは。
――――
[AさんとBくん]…大学一年目から付き合って、卒業後にすぐ分かれたそうで、分かりやすい。
[結婚式]…一世一代のイベントなのにやるのは素人ばかりで傍から見ていて色々こわい。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮