社会に不適合な二人の
かたくなに曲を流し君の顔を見る
弟は私の車を一緒に使っていますが、カーオーディオの等も私が入れたCDのまま運転するのです。
そのため、私の趣味100パーセントで違う趣味の人に聞かれると恥ずかしい曲をセットするのは、多少憚られてしまったりします。
しかし、その代わりとして、私は気に入った曲があると車にCDを入れて、1ヶ月ぐらい強制的に弟に聞かせるようにしています。
あれは平沢進のCDを、1ヶ月ぐらい車のオーディオに入れていたときのこと、弟が平沢進の曲の鼻歌を歌いながら台所に入ってきました。
「ヨイヤー ランセー ディングル ゲンゴー ニ〜ハ〜イ。」
私はハッと気がついて直ぐに合いの手を入れました。
「ドー。」
そうして弟は、歌を口ずさみながら風呂に行ってしまいました。
こんな風に、弟もCD曲を気に入ったのかなと分かった時は「勝った」と喜んでます。
――――
[ヨイヤー 〜]…平沢進先生の歌「白虎野の娘」のイントロの不思議な言葉、そこの正確な歌詞はないので聞こえた風に歌う。
[ドー]…ヨイヤーに対する相の手みたいなもの。
[勝った]…しかし勝ってはいない。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮