社会に不適合な二人の
鈍い鋭いというか、もはや平坦
私は、一人だけ知らない話ということが良くあります。
これは大学生時代の話。同級生のAさんに用事があって他の同級生に尋ねたときのこと。
「Aさんどこ行った?」
「Bくんと買い物行ったよ。」
「へー、デートみたいだね。」
「デートだろうね。」
「え?」
「え?」
「あの二人付き合ってたの?」
「えー!知らなかったの!?みんな知ってるよ。」
「いつから?」
「随分前からだよ?本当に知らなかったの?」
「誰も言わないから……。」
「誰か行ってると思ってた。全然気にならなかったの?あの二人の仲。」
「いや、仲良いなとは、思っていましたが。」
「鈍感だねー。」
これ以外にも、友人Cが恋人と別れたことを私だけ数日知りませんでした。
みんなはCの携帯メールアドレス変更通知で、前のメールアドレスにはあった恋人の名前が消えてることで、直ぐに気がついて確認してたとか。
自分がどれだけ鈍感か思い知ることになりました。
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[メールアドレス]…satoshi_to_mariko_love@〜 とか、見た瞬間に記憶から消えてる。消したい。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮