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社会に不適合な二人の

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本屋の返品用の棚には哀愁が詰まっている


 私が働いている書店は小さな書店で、パート・アルバイトも合わせた総従業員で15人に届きません。
 社員は5人ほどですので、複数のジャンルの売り場を一人が担当しています。
 自然と何を入荷するなどの時に参考程度に話を聞かれることもあります。
「アニメ化でライトノベルのが多いんだけど、どれが売れると思う?」
「どれも売れそうじゃないですねー。」
「前、デュラララが予想以上に売れちゃって困ったんだよねー。」
「あれは女性が買いましたからねー、今回のは女性も買いそうなのはなさそうですよ。」
 などと言ったことを軽く話しています。

 もちろん最終的に判断するのは担当者で、私以外にも意見を言う人は居るのですが、私の意見通りにあまり入荷せずに売り切れて追加発注ができなかったり、いっぱい入荷したのに売れ残って山になったりしているのをみると、とても責められている気がしてきます。
 特に売れずに残った本を台車に乗せて返品作業をしているのを見るとすいませんでしたと謝りそうになります。
 その本に。

――――
[デュラララ]…成田良悟先生著のライトノベル。近年のラノベには珍しく男がいっぱい出るので、男と男で妄想する一部の女性に人気があった。
[その本に]…売れ残って返品される本は哀愁が漂っている。私が買ってやるとか口走りそうになる。

作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮