社会に不適合な二人の
はにーとらっぷ
思春期の男性の定番というと、母親にエロ本を見つけられて……、と言うものがあります。
家から出て行き、祖母の家に居候した弟場合は、私から別の経験を与えられています。
まず第一に弟が家から出て行っている時を見計らって、弟の部屋に侵入します。
そして、私が手ずから買ってきた成人向け本を本棚に入れて痕跡を残さないように出て行って準備完了です。
その後、日にちを空けてから機を見計らって、その本棚で近くあったマンガなりを借りに行けばトラップが発動。
いいよ、と本を撮るために本棚を見た弟が慌て始めます。
「あれ!?」
「どうした?」
「いや、なんでも。見たことない本があっただけ。」
「なに?」
「友達が置いてったのかなー。」
そう言って、弟が渡してくる本を受け取って部屋から出てニヤニヤするのが楽しみでした。
成功したのは2回だけですが。
――――
[エロ本]…裸の女性とか載っている本。本来は弟を慌てさせるためだけに買う類の物ではない気がする。
[本棚]…案外、知らない本が入れられても気がつかない。
[成功したのは2回]…既に見つけられて隠されてた。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮