社会に不適合な二人の
二音が四度も続けば勝利の台詞
「なんで三国志は多いのに、春秋戦国時代の話は少ないんだろ。」
と弟。
「春秋戦国時代っていつだっけ?」
と私。
「秦の前。」
「あー、キングダムの時代ね。えっと、殷、周、秦の前ですか。」
「そうそう。」
「殷、周、秦、漢、三国、晋、って歴史を憶える昔のゴロは、なんで三国入ってて春秋入ってないんだろうね。」
「春秋戦国は500年ぐらいつづいてんのにな。えっとなんだ、殷、周、秦、漢、白、發、中……。」
「白、發、中?」
「違う違う、なんか言っちゃうんだよ。」
「殷、周、秦、漢、三国、晋。隋、唐、宋、元、白、發、中……。」
「白、發、中?」
「明、清、中です……。」
「何か言っちゃうんだよなー。」
「ただ麻雀しすぎじゃない?」
そういうことになった。
――――
[春秋戦国時代]…三国志演義刊行の後代に東周列国志が出来たが流行らなかった。三国志よりさらに長くて国が多く人が多いのが多分原因。
[殷、周、秦―]…子供の頃、リズムに乗せて国を憶えるゴロがあった。三国が入ってるのは多分魏志倭人伝のせい。
[白、發、中]…はくはつちゅん。麻雀の字牌。私が初心者なのでドラ表示牌が字牌の時は東南西北白發中を毎回唱えてドラを確認する。
[ドラ]…ドラ表示牌の次の牌を持ってると得点が高くなる危ない牌。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮