社会に不適合な二人の
欧米人はみんなメリケン扱い?
私が自分のためにスパゲッティをゆでていると、弟が台所にやってきた時の話。
「食べる?」
「たべる。」
私が鍋に向かっている間、弟は食材を弄ってなにかしている様子でした。
「しかし、これすごいな。」
「なに?」
「スパゲッティの袋に書いてある調理の仕方がさ。」
「うん。」
「ゆであがったら水気を切り皿に移してお召し上がり下さい。だって。」
「そのまま?なにもかけずに?」
「だって書いてあるから。」
弟に見せて貰った袋には確かにそんなことが書いてありました。
「これが書いてあるって事はこれが正しい食べ方ってこと?」
「いや、まあ、食べられるだろうけど……美味しくないよね。」
「これだからメリケンは。」
「アメリカ人は関係ないでしょ。」
「これだからヤンキーは。」
「さらに範囲縮まったし。」
ゆであがったスパゲッティをザルで水気を取って皿に移し、レトルトのソースを掛ける前に。
「食べてみる?」
二人で一口麺を啜った結果。
「これだからメリケンは……。」
そこには当然の結末が待っていました。
――
[メリケン]…アメリカンがメリケンに聞こえたとか聞こえなかったとか、そういう言葉。アメリカ人は味音痴と言うお決まりがあるので。
[ヤンキー]…ニューヨークあたりに住む人達を指す言葉。褒め言葉でも蔑称でもある。不良を指す言葉とは無関係。
[スパゲッティ]…わが家はいつもポポロスパ。はごろもフーズは日本の会社です。
作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮