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社会に不適合な二人の

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嫌いじゃないって複雑な言葉


 いつものように夜食を作ろうと思い立ち、ペペロンチーノを作ることにしました。
 私は基本的に味を濃いめで作ります。
 鍋でお湯を沸かしている間に、ニンニクの二欠片上下を少し切り落とし皮をむき中の芯を取り除きます。
 中の芯を抜くと、苦みが少なくなります。
 ニンニクをスライスしてフライパンを火にかけ始めます。
 弱火で少し温まった程度で油を引き、少し多めに油を入れておきます。そうすると油が麺全体に絡みやすく旨味を味わいやすくなります。
 そこにニンニクを入れて弱火で温める程度に火を通し、油にニンニクの香りを付けていき、ベーコン100gを短冊に切ってフライパンに加えます。
 お湯が沸いたら、塩を多めに入れて、乾燥スパゲッティを2人分入れてゆであがるまで待つのです。
 私の家では、芯が残らないまでゆでます。
 スパゲッティがゆであがる直前に、鷹の爪を2房、へたを切り落として中の種を取り、輪切りにしてフライパンの油の中に入れ、油に辛味をつけます。
 普通は赤パプリカを使いますが、家で唐辛子を育ててるので、鷹の爪を使っています。
 鍋のゆで汁を少しとっておいて、ゆであがったスパゲッティーをザルにとって水を切り、フライパンの火を強火にして温まったら、ゆで汁とスパゲッティーを放り込みます。
 水を飛ばしながら素早く油を絡めて、全体に塩胡椒をだばだば振りかけます。
 麺は炒めないで本当に絡める程度が良いです。
 それを皿に二つに分けてできあがり。

 これを自室のパソコンとにらめっこしている弟に無理矢理食べさせます。
「ちょっとスパゲッティーを食べてみて欲しいんだけど。」
「あー、うん。」
「じゃあ、また皿を取りに来るから。」

 そして食後。
「替え玉は?」
「ありません。」
「えー。」
「味良かった?」
「……きらいじゃあない。」
 なんですかその複雑な食欲模様は。クッキングパパのカツ代さんですか。
 嬉しいような悲しいような、そんな夜食でした。


――
[ペペロンチーノ]…本名アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ。ニンニクと油と唐辛子のソースという意味、質素の極みのパスタ料理。絶望のパスタとも。
[パスタ]…麺全般を指す言葉。
[スパゲッティ]…パスタの中で細長くて乾燥した硬い西洋麺のあれ。
[クッキングパパ]…うえやまとち先生著の料理漫画。
[カツ代さん]…「美味しい」を「まあまあ」と言ってしまう素直じゃない人。


作品名:社会に不適合な二人の 作家名:春川柳絮