小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

封印したら、むしろ駄目でしょう

　昔、私が寝不足で疲れていた時のこと。
　機嫌が良さそうな弟と台所で出くわしました。
「なんか元気ないね。」
「寝不足でね。」
「そうか、じゃあ元気をつけてやるわ。」
　そう言うと弟はボールを握るような指の形で右手を挙げました。
　何をするのかと思ったらその直後、弟の右手が私の腹に思いっきり突き立てられていました。
「五行開印！」
　そのまま突き立てた指をパチンコのノブを回すようにねじ込まれました。
「これでチャクラが開放されるじゃろう。」
　痛みで悶絶してる私に弟は満足そうにそう言ってのけました。
「痛いんですけど！すっごい痛いんですけど！」
「気にするな。」
「いや、ほんと痛いから！」
「じゃあ五行封印もいっとく？」
「遠慮しておきます。」
　本当に遠慮のない弟です。


――
[五行開印][五行封印]…ジャンプ連載中のＮＡＲＵＴＯの忍術の一つ。主人公ナルトにかけられた五行封印でチャクラがうまく使えなくなったのを五行開印で解除した。実際にやると凄い痛い。やった方も痛い。その話が掲載された時期には同様の被害が各地の小中学校であったと思います。