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遅くない、スタートライン 第3部 第1話 9/16更新

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(4)

マサ君と手を握った男の子が店に入ってきた。この時間…千尋さん達はお昼休憩でカフェにはいなかった。気を利かせてくれたみたいだ…姫子は置いて行ったけど。バイト達も一緒に出て行った…

美裕は俺の顔を見てうなづいた。俺もうなづき返した…
「あきとくん!こんにちわぁ…美裕ちゃんです」と膝を折って、あきとに目線を合わせてご挨拶した美裕だ。
あきとは美裕の笑顔に…ツラれて笑顔になった。
「こんにちわ…あきとです」とちょっと顔を赤くして挨拶をした。

美裕はあきとの手を軽く握ってこう言った。
「クッキーどうだった?あのキャラ好きぃ?」とまた笑顔で言った。
「うん。ボク…レッドマンがすきぃ。なんでしってたの?」
「美裕ちゃんは…なんでも知ってるんだぁ。魔法使いだからね」
お、おいこら…美裕調子乗りすぎだ。おまえ ( ;∀;) あきと本気にしたらどーすんだ?
またあきとは…魔法使いが気に入ったのか笑いだした。

美裕があきとにおなかが空いたかと聞いた。あぁ!俺は気づかなかった。時計を見たら13時過ぎてる…
「うん…すいたぁ。」とあきとは言った。お義母さんも俺も話込んでいて時計すら見ていなかった。

美裕は千尋さんが作ったミニオムライスとコーンスープをランチプレートに出してくれた。こんなのあった?
「あぁ…これ樹家歴代の子供食器!これは取っていたのよ!私の何でもポケットに入ってたの」と言うと…
あきとが笑いだした。
「あぁ…入んないよね。こんなお皿!ごめんね…あきとくん」
「美裕ぉ…あの秘密のクローゼットかぁ?樹家歴代のお宝グッズが入っているという」
「うん。あきとくん…これも食べる?」美裕はうずらの卵を見せた。

美裕はこんな芸幅あったか?うずらの卵に食紅で【あきと】と書いてあった。またウィンナーのロボット人形もあきとに見せて、あきとには大ウケで、美裕の休憩時間一杯…あきとは笑った。俺達も笑ったわ…

あきとはおなかも一杯になって眠そうだ。俺は家に連れて帰ろうかと思ったが、美裕は2階を指さした。あ、ベッドがあったな。俺が抱き上げようとしたら、美裕は俺にこう言った。

「そっと抱くから…あきと君抱かせてもらってもいいかな?」
「いいよ…でもコイツ重いよ。腰にくるぞ」
「うん。その重みがいいんだよ…」

美裕は寝ているあきとの頭の下に手を入れた。そして…抱き上げて自分の肩にあきとの頭をつけさせた。その時…美裕の目から涙が流れた。
「……しょうたも産まれてたら、これぐらいの重さかな。ありがと…マサ君!あきとくんに逢わせてくれて。やっと…しょうたをダッコできた気分だよ。私…」
「あきとで良ければ、いつでもダッコしてやってくれ。しょうたくんの分まで。美裕ぉ今日はありがとうな。あきと歓待してくれて」
「うん。あぁ…後で千尋さんが家に来てって言ってたよ。マサ君」
「うん。また樹家お宝グッズ見せてもらおう」
俺はあきとの頭を軽くなでて、ドアを開けた。