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遅くない、スタートライン 第3部 第1話 9/16更新

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子犬たちも迎える準備をしなければいけない。石田先生の家で子犬を見せてもらっていたら、福永兄貴と竜生兄貴が来た。その時に兄貴達に言われた。あきとの前では言わなかったが、あきとと子犬たちが家に来る前に、ハネムーンに行って来いと言われた。俺が先週の収録の時に兄貴達にあきとの事をしゃべった。兄貴達も子供がいるし色々と相談したかった。美裕にも話した…美裕はカフェを連日で休めるかどうかわからないと言った。この時点で…それが事情が変わった。美裕の後輩パティシエ・諒君を覚えているだろうか?

諒君は今年の6月に海外にパティシエ修業に行く予定だった。だが、海外で修業先のショップがハリケーンの被害にあってショップの建物が全壊したそうだ。諒君の卒業した東京の製菓専門学校も新たなショップを探してくれてはいるが、難航しているらしい。美裕は諒君から相談を受けていたが、加奈ちゃんにも相談した。ところだが…縁というのはどこに転がっているのかわからんもんだ。

美裕のカフェがオープンの時に、オープニングも一緒に働き、諒君と加奈ちゃんは仲良くなった。時々、2人は逢っていたそうだ。ラインでやりとり、電話で話し…愛を育んだみたいだ。諒君の海外修業の間は遠距離恋愛をしようと思ったが、加奈ちゃんもパティシエだ。2人は…ある決断をした。自分たちのスィーツショップを立ち上げようと!

また、ここで福永兄貴からアドバイスがあった。ベリータイム・ミヒロの2号店を開店したらどうかと。ベリータイム・ミヒロのスィーツも製作するが、自身のオリジナルスィーツも同時に製作したらいいじゃないか!ショップの名前もベリータイムは使って、下の名前は2人が決めたらいいと言った。また、2号店を開店すると言っても土地も当てがないのに、どーするんだ?福永兄貴はと俺は思っていたら。

あ、美裕が高茂久総合病院でスィーツ教室を開催するって話覚えてる?それを先月に開催したんだ!その時にヘルプとして諒君も一緒に行ったんだ。美裕と諒君は高茂久先生ご夫妻に(特に真理子第2副院長先生と仲良くなった)気に入られて、数ケ月に1回スィーツ教室を開催してほしいとまで言われ、今度は諒君も講師陣としてスィーツ教室を開催しないかと言われた。その事を福永兄貴は覚えていたみたいで、諒君の海外での修業先がハリケーンで全壊したことを、高茂久先生に話したら病院の近くで2号店を出さないかとお話を頂いた。

いいのか…メチャ好条件だぜ。あの高茂久総合病院の近くだ!完全予約制で飛び入りは不可で、来院患者さんも著名人も多いしさ。他…細かな条件はあるけど、都心で店舗を借りて経営することを思えば、2人で一生懸命働いたら返せない額じゃない。2人とも結構貯金持ってた!使う暇なしと言ってたな。美裕もそうだった!

おっと…話を戻さなきゃ!まだ2号店開店まで半年あるんだ。今…福永兄貴が設計図を引いてる。福永兄貴は住宅専門かと思っていたら、ここ数年で店舗設計もするようになったそうだ。ベリータイム・ミヒロの室内の設計を興味深そうに見てたもんな。その半年期間は準備期間でもあるけど、オーブンや設備はまだ手元にない。加奈ちゃんもすぐにホテルを辞めれるわけではないから、加奈ちゃんが退職するまで、諒君は美裕のカフェでセカンド・パティシエとして常駐してくれることになった。

美裕が不在の時は、千尋さん達と共にカフェを切り盛りしてくれている。また、スィーツばかり作ってるわけにはいかない。千尋さんに経営面も色々と教わっていた。諒君もメインパティシエとしての経験も積まなければいけない。今度の事は一石二鳥だな!

美裕も俺も、諒君がカフェでメインパティシエとしていてくれる間に、ハネムーンに行こうと決断した。