遅くない、スタートライン第2部 第5話 8//27更新
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パーティは和やかに進んだ ( 一一)
この顔文字の意味はわかるだろうか?俺と美裕は招待客の祝いの言葉は嬉しかったが、余計なことを暴露すんじゃねえ!特にこの人たちは…愛先生にマイクが回った時だ。
「明らかにコジつけですわ」その言葉にわかる招待客はわかる。笑い声が聞こえたのは、美裕のカフェスクールの仲の良かった志穂ちゃんと美菜子ちゃんが堪えきれなくてテーブルに突っ伏して笑った。愛先生は満足そうにうなづき…またマイクを持って今度は美裕のところに来た。
「横の旦那さん…カフェスクールの時に美裕さんのスィーツ何回食べに来た?養成スクールをネタに私の覚えてる限り両手はいってると思うけど?志穂ぉ!美菜子ぉ!どうなの?」その声に2人は両手を前に突き出した。
「えぇ、20回はこえてる?」その声に招待客は大笑いだ。
「に、20回も俺食ってねぇ!」と反論したら…
「何を言う…アンタ!カフェスクール外を足してごらんよ?30は行ってるでしょ」
その声に美裕は堪えきれなくて、俺の腕をバンバン叩いて笑った。
また、この悪魔オンナは!加奈ちゃんだ!!加奈ちゃんは俺の顔見て咳ばらいし…
「MASATO先生って、美裕カラかって怒らせて、美裕にオシリ叩かれて、足蹴られて、腕ツネられて喜んでますのぉ。証拠はリゾートホテルのテニスコートで美裕にコテンパンにやられても嬉しいんです。だってぇ…ね!美裕ぉ」
加奈ちゃんが美裕の顔を見てあの悪魔スマイルをした。美裕は…手をワナらせてこう言った。
「か、加奈!私に何を言えって言うの?」加奈ちゃんは自分の着ていたワンピースの裾を軽く持ち上げた。わかるヤツやわかる!
「お、おい!雅人…おまえぇ、テニスと言えばテニスウエアとアンダースコートだぞ。それかぁ!」
その声に加奈ちゃん達は拍手で「正解」と叫んだ。そこで千尋さんにマイクが回った…司会者は副校長だ!副校長も千尋さんと何回もカフェで逢ってるし、どうやらウマが合うみたいで楽しそうにしゃべってるもんな。その副校長が千尋さんにこう言った。
「義弟叱る?」それも笑いながら…
「叱ってもいいけど、叱ってもマサ君は何回も同じ事するから。また美裕も怒りながらも嬉しそうだし、またマサ君は美裕に謝る時は思いっきり神戸弁なのよね?ねぇ!あなた」雄介義兄さんにふった。
「マサ君ごめんな。美裕ちゃんごめんね。千尋怖いから…」先に謝る?
「うん。もぉ…みぃちゃん!かんにんしてぇな!ごめんってば、とかです」
その声に招待客はまた大笑いだ。俺と美裕は顔を赤くした!!またこの人にもマイクが回った!有ちゃんと健太郎さん!!
「MASATO先生!ごめんね…副校長にワイロもらちゃったの!さっきぃ…健ちゃんもだよ」
俺は副校長を思わず睨んだ!副校長は自信に満ちた態度で?笑ったぞ。
「カフェオープン前は毎日来て、スィーツの試食食べてコーヒー飲みに来てました。また美味しそうな顔して!美裕ちゃんに毎日食べたら糖尿病なるぅ!って怒られてました。またお土産までもらって自転車で坂を鼻歌唄いながらペダルこぐんです」
「マサ君!ごめんな…男は胃袋つかまれたらもうダメだからな。また美裕もマサ君が食い物に弱いってわかってるから、わが妹ながらうまくマサ君をコキつかって、イエ…うまく操縦してるみたいで。いや…もう美裕の尻に引かれてると思います」
その声に…美裕は顔を赤くしたが笑ってたな。ま、俺も尻に引かれて嫌じゃないけどさ。
散々…招待客にカラかわれたけど、笑いの絶えないパーティだった。
有ちゃんが美裕を迎えに来て手を出した。
「美裕ちゃん!カラードレスのお着替えに行こう!MASATO先生はもうちょっと後でね!何だかバンド仲間達がMASATO先生は置いて行ってくれって、さっきテーブルに来たよ」俺は思わずバンド仲間達を睨んだ。ヤツら…千尋さんと加奈ちゃんと愛先生を囲んで楽しそうに話してやがる。
副校長はマイクを持って…
「新婦様…カラードレスのお着替えに行きます。MASATO先生は今から男性陣による尋問タイムらしいです」
その声にまた招待客から笑い声が上がった。
「じ、尋問タイムって?俺かてタキシード着替えるんですけど」
「男はすぐ済むじゃん!はいはい!有ちゃん…お願いします」
美裕が有ちゃんの手を借りて立ち上がった。立ち上がった時に…
「後で聞かせてね。何尋問されたか…雅人さん」とあのニッコリスマイルをした美裕だ。俺は顔が引きつったのは言うまでもない。
健太郎さんに以前言われたんだ。美裕はニッコリスマイルすると…千尋さんレベルで怖いと ( ;∀;)
美裕が出て行ってから、俺の周りにハイエナのようにバンド仲間達が来てスマホを俺に向けた。
「ま、まさか…福永兄貴に送る?」俺は手をワナらせた。
「うん。おまえ…福永兄貴の上は誰か知ってるよな?この前…お前の新曲聞いて興味もったそうだ。桑さんと氷室さん」
俺は生唾を呑み込んだ…
「ま、まだリリースしてないのに?」この言葉を言うのが俺は精一杯!
「そんなリリース前でもあの人達が聴きたいって言うたらな!」
「局のドラマディレクターや音楽ディレクターはうなづくしかないんだわ」
「福永兄貴は花嫁の写真って言うたけど、また違う意味含んでるちゃうかな?」
と口々に言った…バンド仲間達だ。いやぁ…ますます、美裕には福永兄貴達の説明をするのが怖くなったわ。俺…
作品名:遅くない、スタートライン第2部 第5話 8//27更新 作家名:楓 美風