小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

遅くない、スタートライン第2部 第5話 8//27更新

INDEX|8ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

(6)
俺は健太郎さんの腕につかまってドアを出てきた美裕に目が釘付けになった。また自分でも顔が赤くなるのがわかり、心臓の音が自分の耳にもはっきり聞こえるのがわかった。俺…どーしたんだろう?やべ…手が震えてきた。美裕のウェディングドレス姿にヤラれたのか。
学校長が俺の様子に気づき、俺のそばに行き肩を叩いたが俺は気づかなかった。また三ちゃんが俺の顔を覗き込んで…
「ま、雅人さん!もしや…あぁ、完全に」学校長はその言葉にうなづいた。
「す、すみません。どうやら…雅人さんは美裕さんのウェディングドレス姿に完全にフリーズされてるみたいで。しばしお待ちください」
と学校長が招待客に言ったそうだ。(後で聞いた!)

私と健兄ぃは、カフェの庭に簡易に作った式場の前で、人だかりがしてるのが目に入った。
「健兄ぃ…どーしたのかな?」私はヴェールをかぶってるので目を凝らした。
「うーん。あぁ…学校長さんが雅人さんに水飲ませてるぞ!三ちゃんが肩揉んでる」
その声に後ろにいた、千尋さんの長男君がカメラを持って笑いだした。千尋さんの長男君は大樹君と言う。
「美裕ちゃん…雅人さんフリーズしちゃってるぜよ。いやぁ…ックック。美裕ちゃんがあまりに綺麗だからね」
その言葉に私は赤くなったのは言うまでもない。また通りすがりに大樹君の腕をツネったのは言うまでもない。痛がって声を出す瞬間に妹の有ちゃんに口をふさがれた。後で千尋さんに怒られたようだ!当日の花嫁をカラかうなんてと!

学校長と副校長はあの手この手で、マサ君を現実の世界に戻してきた。私が戻しに行くワケにはいかない。そんなの…みんなの前でできません!
学校長の奥様が私の顔見て口パクで【大丈夫よ】と言った。私はドアの外で待機していた。私の姿がまた見えたら…マサ君がまたフリーズするからって、バンド仲間達が笑いながら言った。だから、ちょっとだけドアの外で待ってて!と追い出された ( 一一)

俺は水分補給と三ちゃんの肩と首揉みで意識が戻った。さすが、俺のマネさん…俺が緊張した時にはよく揉んでくれたもんな。それがまたよく効くの!俺が意識が戻ったら…招待客からクスクス笑いが聞こえた。もぅ…笑い堪えてるのが愛姉こと愛先生に作家ダチに加奈ちゃん!諒君!みんな肩震えてるんだ。俺が何か言いたそうにしたら、このオンナ…加奈ちゃんだ!口パクで【みひろに】と言い、自分のスマホを見せた。

美裕にラインするわよ!かぁ?ってめぇ…俺は手をワナらせた。それで完全に意識が戻ったけどな!
今度こそは…フリーズしちゃいかん。俺は腹に力を入れて立ち上がった。また…悪ノリか、招待客からこんな声も聞こえた。
「マサ君!しっかりしてねぇ!ダメよぉ」誰だ!美裕のモノマネしやがって!その声にカフェの庭は笑い声が響いたのは言うまでもない。

仲介人の学校長がマイクを持って俺のそばに来た。
「みなさん…カラかうのはそこまでにしましょう。ドアの外で花嫁も怒ってるかもしれません!さぁ始めますよ」
その声に招待客はうんうんとうなづき…拍手をした。学校長は目線でドアのそばにいる有ちゃんにうなづいた。

俺の横にいる美裕のヴェールを持ち上げて、俺は顔を近づけた。美裕の手を握り、俺は美裕の唇に近いのキスをした。美裕の目から涙が流れた。俺は学校長の奥さんに持たされていた、コットンで美裕の目を押さえた。また、千尋さんも健太郎さんも目を押えていたそうだ。後で有ちゃんに聞いた。俺も目が潤んだが、そこはグッと耐えた。

美裕が手にしたブーケ…美裕の亡くなったお母さんが好きだった百合の花にした。千尋さんも結婚式の時は、百合の花をブーケにしたらしい。その百合のブーケを今から…投げるんだ。ブーケトスですわ!俺に投げさせてくれないかな?と思ったところ…
「マサ君…意地悪な事は考えない方がいいわ。加奈ちゃん…ヤラれたら3倍になって返ってくるわよ」
俺は美裕の言葉に思わず口を押えた。加奈ちゃんはそれに気づいたのか、俺に向かってニッコリ笑ったんだぜ!あの悪魔オンナ!!

パーティの時は、ケータリングの料理も食べたかったが!俺にワインやビールを次にドンドン招待客が席まで来たんだ。
「俺達…意地悪だから!美裕さんにはしません…ほら飲め!飲まんかったら、お前の悪事バラすぞ」とか、
「おまえぇ…何考えてるねん。養成スクールの時から目つけててさ、あぁ愛先生!これしゃべったらあかんの?」
と作家ダチが愛先生の方を見た。愛先生はうんとうなづき、俺を見て笑った。美裕はその間の笑いに顔が赤くなった。

俺も美裕もスピーチで何言われるか、ビクビクしたわ!でも…それはそれ!俺は美裕のウェディングドレス姿を招待客の攻撃をかわしながら、見ていた。自分のスマホや美裕のカメラでも撮影した。有ちゃんがそばにきて何枚か撮ってくれた。いい子だ!と思ってたら…また美裕が口を開いた。
「あれが一番怖い。千尋さんの娘よ…マサ君」と…美裕の声が聞こえたのか、有ちゃんは俺に向かって指でほっぺたを押して、千尋さんと美裕そっくりな笑顔で笑った。その時の雄介義兄さんと健太郎さんと舞子さんは俺と目線を合わせなかった。

あぁ…これは書かんと!美裕が作ったウェディングケーキは!正方形で俺の好きなフルーツ一杯にトッピングしてくれて、またメレンゲで作った眼鏡をかけた俺とコックスタイルの美裕がいた。これがまた招待客にウケたウケた。またメレンゲ人形の横には、積み上げた本とお皿の上にミニケーキが乗っていた。
「かっわいい!雅人さんの眼鏡姿に、ップ…髪の毛ハネまで。美裕さんのコックスタイルもかわいい」とパティシエダチ達が言った。またバンド仲間達がスマホで撮影して、俺に言った。
「雅人!福永兄貴に送るわ」と俺の許可なしにスマホをタップした。
「ッゲェ!ふ、福永兄貴に何で送るんじゃ!卓ぅ」と俺は絶叫したわ!思わず…
横にいた美裕は…?って顔してたな。
「福永兄貴って誰?」俺に聞いた…俺はよぉ答えんわぁ。( 一一)

そしたらユーキのバカちんが得意そうに言った。
「この前局でね!雅人は福永兄貴に捕まったの。あ、美裕さん…福永兄貴知らんの?マァ兄貴だよ」
「ま、マァ兄貴って…もしやマァさん!えぇ…福永雅樹さん!な、なんで」美裕が驚いた。
卓さんとユーキさんがマサ君の肩を抱いて、嬉しそうに言った。
「こらぁ…MASATO!歌手復活して俺に挨拶ないんかぁ?おまえ…今度結婚するんやってなぁ。挨拶の件は結婚式の写真!花嫁さんの写真で許したるわぁって!あのマァスマイルされてん。あぁ…本橋竜生さんも同じ事言ってたわぁ。あ、同期の坂本君と南君と月岡君も!」
俺は両手で顔を覆った。

「し、知り合いなん?マサ君」美裕が震える声で俺に聞いた。
「……うん。俺…今度局行かれへんやないかぁ!卓!!ユーキどうしてくれるねん!」とまた絶叫したら…

今度は千尋さんがブーケを持って俺達の前に来た。
「ね…この方!もしや…坂口圭吾さん?あぁ…連名になってるぅ!本橋竜生・福永雅樹・石田拓哉・それに本郷将太さん!」
その声に招待客は驚いてたよ。俺もビックリだけど…後で美裕にどーやって説明しよう。その前に美裕が貧血で倒れそうだ!