赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 31~35話
赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (33)
お座敷遊び
襖を使った遊びもある。襖を1枚はずす。
それをお座敷の真ん中にたてる。
芸者とお客さまの3人が、襖の裏に隠れ、呼ばれたら顔を出すというゲームだ。
お父さん役、お母さん役、頭にリボンをつけたお嬢ちゃん役を
その場で即興で決めておく。
三味線も、最初のうちはゆっくりしたテンポで弾かれる。
『淀の水車は・・・』と優雅に唄いはじめる。
手の空いている芸妓が、小股に挟んだビール瓶の「ハカマ」で、
危なっかしくカチーン、カチーンと、拍子を取りはじめる。
『カカ出なやの、また、トト出たり、遅れて娘も顔を出たり・・・』
などと歌いはじめる。
それに合わせて、襖から3人がそれぞれに顔を出す。
最初のうちは普通のテンポですすむから、どうということはない。
だが、だんだんテンポが速くなる。
そのうち混乱して、間違える人がかならず出てくる。
この場合も、いちばん先に失敗した人が負けになる。そこでまた罰盃として、
たっぷりお酒を飲まされてしまう。
作品名:赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 31~35話 作家名:落合順平