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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 31~35話

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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (34)
 猫じゃ猫じゃ

 「おい。誰だァ。お座敷に猫なんか連れてきたのは!」

 突然の大きな声に驚いて、たまが正気に戻る。
音楽に乗ってうかれているうち、つい我をわすれて、かごから顏を出していた。
小春姐さんの三味線に乗り、裾をはだけ、汗だくで踊っていた清子が
はっと気づいて立ち止まる。あわててかごを振り返る。

 「おっ。三毛猫やないか。ほお~、可愛い顔をしておるやないか、こいつ。
 なんや、こいつは、オスやでぇ。
 待て待て。事態が何やら変わってきたぞ。
 三毛猫のオスとは、こいつは春から、縁起がいい」

 ヒョイと喜多方の小原庄助旦那が、たまを片手で持ち上げる。
懐から手ぬぐいを取り出す。それを4つに折りたたんだあと、ふわりと
たまの頭にかぶせてしまう。