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遅くない、スタートライン 第2部 第4話 8/18更新

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カフェオープン前にテレビの放映もあった。その宣伝効果もあり、開店準備前からカフェの石畳の道にお客さんが待っていた。また、美裕と千尋さんと有ちゃんはご近所にオープン前にご挨拶に行って、手土産を渡して…

「オープン当日前後…ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」と頭を下げた。千尋さん曰く…最初が肝心と!また美裕を説得してご近所さんにはカフェのドリンク・スィーツの無料クーポンを渡した。ま、カフェの周りの10軒の家だけに配った。カフェは2丁目にあって、たまたまか2丁目は10軒しか家が建ってなかった。千尋さんの記憶によると、今でこそ家があるけど…引っ越した当時は田んぼと空き地が所々にあって、樹の家は1番目に建ったそうだ。後でわかったことだが、亡くなったお父さんの勤めていた会社が買った切り売りの土地だった。で、お父さんが一番乗りで買ったそうだ。ま、数年空き家になっていたが、自治会の会長様と千尋さんは学校は違うが、仲良くしていたそうだ。今も仲良しだ!

10時開店だ!俺は千尋さんにエプロンをつけてもらった。美裕はキッチンにいるからな。
「頑張って!MASATOさんの笑顔でよろしくお願いします」
俺は笑顔でうなづいた。

からくり時計が10時を指した。俺は深呼吸をして、ドアを開けて笑顔で…

「ようこそいらっしゃいました!ベリータイムカフェ・ミヒロ!オープンします」
俺も緊張してたんだな!有ちゃんから後で聞いた。俺がドアを開けた途端…

「キャァ!MASATOさんだ」とか…
「うっそぉ!かもめ本のMASATO先生」とか女性軍の声が響いたそうだ。俺はもうお客様を席にご案内するだけでココロ一杯だった。
俺の声に…ホール係3人が笑顔で!
「いらっしゃいませ!ようこそ!ベリータイム・ミヒロカフェへ」と頭を下げてご挨拶したら…
奥のキッチンから、美裕がコックスタイルにブラックのエプロンで出てきた。オープンだもんな!ご挨拶だ…

「ようこそおいでくださいました!ベリータイム・ミヒロのオーナーの 樹美裕です!ご来店ありがとうございます。私と仲間のパティシエで作ったスィーツ・ドリンクをどうぞお楽しみくださいませ」美裕は緊張してるけど、いい笑顔で挨拶をした。

また、お客さん達もそんな美裕に好意を示してくれたのか、カフェホール内は拍手が鳴り響いた。美裕は俺と千尋さんの顔を見てうなづいた。

ひえぇ…目が回りそうだ。俺…次々にオーダーを取り、オーダーを復唱して、奥のキッチンにオーダー票を出す。パティシエ達が「了解」の声がキッチンに響いた。またスィーツセットが出来上がったら、テーブルナンバーとオーダー票を照らし合わせる。トレーのスィーツやドリンクをこぼさないように、全神経使いました。俺… ( ;∀;)

俺もできる限り笑顔でお客様に接し、またお客様も俺と話をしたいみたいで、またお写真も撮りたいみたいだ。あぁ…どーしよう!美裕!どーすんだ?俺はキッチンの美裕に念じた。それが通じたのか、千尋さんが笑顔と口パクで【いいよ】と言ってくれた。俺は何組かのお客様と写メを撮った。これも営業のうちか?

千尋さんがショーケースの中のスィーツをカウントを始めた。オープンしてからちょうど2時間が経った。また美裕も出てきて、千尋さんと話をし、千尋さんがレジの下の引き出しからラミネート加工した物をショーケースに貼った。なんだ?

「ショートケーキ 売り切れ」
「ストロベリーババロア 売り切れ」
「ベリータルト 売り切れ」
「チーズケーキ 売り切れ」一気に4種類売り切れになった。と…いうことは、中も在庫ないか?

俺はキッチンに行った。加奈ちゃん達がオーブンからケーキを出した。
「MASATO先生!これで最後です。ホールに伝えてください。10分ほど待って頂いて!余熱取るから」
「はい!」俺はホールに戻って、ホール係3人に伝えた。驚いてたな!最後のケーキも後18カットしかなくて。

健太郎さんと有ちゃんと雄介義兄さんとで、お客様に「売り切れでケーキ1種類のみオーダーできます」と、頭を下げていた。12時の段階でこれだ…後はどうすんだ?美裕!

千尋さんが俺を手招きした。はいはい…俺は小走りで千尋さんの元に行った。
「来客人数が予定人数より多かったのね。カフェは今並んでらっしゃるお客様が帰られたら、一旦クローズします。昼の部は午後3時から!MASATO先生!これら表の玄関に出してきてくれる?」千尋さんは黒板を俺に渡した。
「はい!」俺は黒板を抱えて表に出た。またお客さんが増えたみたいだけど、もうケーキないもんな…嬉しい悲鳴だけど。中のキッチンは大変だよ!美裕達…大丈夫か?