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遅くない、スタートライン第2部 第1話

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(3)

それから、数日後に養成上級クラスとカフェスクールの終了式を迎えた。みぃちゃんと後2人の生徒は終了式の後に別室に呼び出され、正月明けから俺とダチ作家2名が監修して作品を提携している出版社の新人コンクールに応募することになった。3人が副校長の話を聞いてる時に、俺とダチ作家は担当を決めた。何で決めたかは内緒だ。副校長の話が終わって別室から出た時の生徒達は緊張と上気した顔だった。別室から出た後は担当作家とミーティングになっていた。俺は2号室で待機していた。

「よろしくお願いします。MASATO先生」とみぃちゃんこと樹さんが俺に頭を下げた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」俺も立って頭を下げた。

ミーティングが終わり2名の生徒は帰ったが、みぃちゃんはそのままカフェスクールの終了式に1階に下りて行った。カフェスクールの愛先生には養成上級クラスのミーティングは連絡が行ってるので、みぃちゃんはちょっと遅刻して終了式に出た。俺もカフェスクールに今期最後のお茶会のお誘いを受けていた。学校長も副校長も他の講師陣達も!生徒が前日から仕込んだスィーツにコーヒーをご馳走になった。美味かった!シンプルなショートケーキだったけど、ホイップの甘さ加減にスポンジの焼き加減も絶妙だった。またショートケーキの横についていたマカロンも美味かった。俺はお代わりが欲しいと思ったぐらいだ。

愛先生が生徒1人ずつを送り出し、また生徒に小さい紙袋を渡していた。なんだろう?
「愛先生からクリスマスプレゼントですよん。1人1人違うそうです」アシスタントが俺に言った。
「へぇ!いいなぁ…俺も欲しい」と言ったら、愛先生はアシスタントにうなづいた。

奥から女性の悲鳴が聞こえた。いや…抵抗している声だな!あぁ…まさかぁ!!
愛先生は俺の顔を見て、ニッコリ笑った。そしてこう言った!
「優しい愛姉からクリスマスプレゼントだよん。マサ坊!ほら受け取りな」

アシスタントに腕を引っ張られて、スタッフルームから顔を赤くしたみぃちゃんが出てきた。
「ほら!樹さんじゃなかった。みぃちゃん!マサ坊にクリスマスプレゼントあげて」
その声にアシスタントと学校長達が笑った?えぇ…まさか俺らの事バレてるん?俺はみぃちゃんの顔を見た。みぃちゃんは俺の顔を見てますます赤くなるばかりだ。やべーぇ!!

俺とみぃちゃんは背中を押されて、カフェスクールを追い出された。追い出した後からドアの中で笑い声が聞こえたのは言うまでもない。また、追い出される時に、愛先生は俺の手に封筒を握らせてこう言った。
「いじめてごめんね!これで許して」と…またその時に奥から…
「MASATO先生!みぃちゃんごめんね!」の声も聞こえた。なんだ?みんなして結託してんのか?
みぃちゃんはその声にまた赤くなった。とにかく、このビルから出なきゃ!みぃちゃんの体の中の血液が沸騰しかねないぞ。俺はみぃちゃんの手を握って地下のパーキングに下りて行った。


「何でバレたん?」俺は車のドアを閉めて、恐々にみぃちゃんに聞いた。
「この前…マサ君がプランニングしてくれた郊外リゾート地行ったでしょ?あの時に…副校長が出版社の方といたんだって、副校長はこれからコースに出るところで、私達には声をかけなかったそうです。で…」
「副校長に見られた?え、まだ続きがあるん?」みぃちゃんはうなづいた。
「その次は、学校長が見たそうよ。数日後にマサ君と私が手をつないで横浜の赤レンガ歩いてたところ!」
「ま、マジぃ?2回も俺ら見られてたん?」みぃちゃんは頭を上下した。
「学校長達はMASATO先生に今日は何も言わなかったの?養成上級クラスの時!」
「何にも言わんかった…普段通りで。あぁ!!まさか…これか?」
俺は手に持っていた封筒をみぃちゃんに見せた。封筒の中に書いてあった文章を読んで、俺達はますます顔が赤くなった。

バレてんだぞ!でも大目に見てやるから、決まったら報告しろかぃ?

「ま、いいか。俺もみぃちゃんも独身でもうすぐ生徒じゃなくなるからさ。こういう形にしたんじゃないの?学校長ら」
「かね?カフェスクールは3月で卒業するし、養成上級クラスも3月で講座終了だもんね」
「うんうん。養成上級クラスが終わったら俺のアシスタントになるもんな」
「だからかな。それも知ってるってこと?」
「うん。それはちゃんと学校長と副校長に話をしてるさ。他の2名も俺の作家ダチのアシスタントするんだぞ」
「そうなんだ…それだけ君らに期待してるってこと!あ、封筒の中から映画のチケットとお食事券がでてきたぞ。あぁ…ハラ減った!カラかわれて。みぃちゃんメシ食いに行こうぜ」俺は車のエンジンをかけた。
「うん。私もおなか空いた!お肉食べたい!」
「うん。焼肉行こう!愛先生のダチさんとこ」
「やった。じゃ…気を静めて安全運転でお願いしますよ。マサ君」
「あーい。みぃちゃん」俺はゆっくりアクセルを踏んだ。