ねとげ~たいむ・エキスパート!!
クエスト8,考える亀
前回の話から数日後。
私達の学校で文化祭が行われた。
この数日間はみんな遅くまで残って準備をした。
ちなみに私のクラスは定番と言うかメイド喫茶だった。
しかしそんな私のクラスにもとあるお客さん達がやって来た。
「あ・か・ねぇぇぇ〜〜〜っ!」
お姉ちゃんが私のクラスにやって来た。しかも自分達の出し物のコスプレで……
お姉ちゃんはオンライン・キングダムのルナの格好をして抱きついてきた。
「ちょ、お姉ちゃん離してよ〜っ!」
「嫌よ〜、休み時間になったら皆で遊びに行くって言ったじゃない〜っ!」
「だからって人前で抱きつくな! 皆見てるでしょう!」
私は周囲を見た。
クラスメートや他のクラスの人達、さらには一般のお客も私達を何事かと見ていた。
するとそこへ助け舟がやって来た。
朋恵先輩がお姉ちゃんの襟をつかんで私から引き剥がした。
「おい、コラ、茜ちゃん困ってるでしょう」
「ちょっと! 私と妹との団欒を邪魔すんじゃないわよ!」
「何が団欒よ……」
私は目の前のシスコンに向かって言った。
他にも萌ちゃん・望先輩・唯月先輩がやって来た。
皆もゲームと同じコスプレをしていた。
実はお姉ちゃんのクラスは去年望先輩が出し物で集客・集金でトップを飾った事がある、それがオンライン・キングダムの自分達のコスプレをしてでの『ファンタジー・喫茶』だった。
今回も去年と同じ内容とコスプレのお店『ファンタジー・喫茶?』だった。本当にRPGのタイトルみたいなネーミングだった。
するとお姉ちゃんが言って来た。
「茜〜、今回は相談があって来たんだけど〜」
「相談?」
どうせロクな話じゃないだろうな……、よく漫画とかだと実は真剣な話だったりするけど、実際は本当にロクな話じゃなかったりする。
すると望先輩が薄ら笑いを浮かべると一度廊下に出て入り口の側に置いてあっただろう荷物を教室に入れた。
赤いスーツケースを開くとそこにはお姉ちゃんと同じコスプレ衣装、でも赤い髪のツインテールのウィッグが入っていた。
それを手にとって見せながら望先輩が言って来た。
「この日の為に作って置いて貰ったんだ。さぁ、妹ちゃん着替えようか」
「え? えっ? えええっ?」
「さぁ、茜、着替えましょう……、あ、ちょっと茜借りるわね〜」
お姉ちゃんはクラスの子達に言うと私を連れて出て行った。
作品名:ねとげ~たいむ・エキスパート!! 作家名:kazuyuki