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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 そしてルキノさんは立ち上がろうとするキング・ランタンに向かって行くと拳を強く握り締めて突き出した。
「うおらぁああああーーーっ!」
 キング・ランタンにルキノさんの拳がヒットする。
 キング・ランタンが地響きを立てて地面に叩きつけられると、その上に乗りかかって再び両手で殴り続けた。
 途端当たった箇所が粉々に砕け散った。
『ギャアアアッ!』
「アハハハハハハッ!」
 最早討伐を通り越して私刑だった。
 ルキノさんは笑いながらキング・ランタンを殴り続けた。
 ある意味レミよりゾッとした。
 少しだけ言葉使いが悪くておっかない人だとは思ってたけど、この人はテンション・ハイ(ナチュラル・ハイとも言う)になると頭のネジが吹っ飛んでいた。
 ルキノさんは漫画(bl)を書いていて、その為に連日徹夜する事もあるらしい……、すると徹夜明けで怒りやすい性格がさらに怒りやすくなり、臨界点を超えるとテンションが高くなるって聞いた事がある。
 するとエミルが言って来た。
「ちょ、ちょっと、あの人ヤバイよ〜」
「ま、まぁ、悪い人じゃないから……、サリアさんも恐がらないで、あの人は……」
「素敵っ!」
「えええっ?」
 私は顔を顰めた。
 この人も変わり者だった。
 サリアさんは両手の指と指を重ねながら鼻息を荒くした。
 この人の好みの基準がさっぱり分からなかった。

 ルキノさんが使ったスキルは『バーサーク・スキル』と言う物だった。
 これはその名の通り、防御力を除く全ステータスが一定時間5倍上がると言う事だった。
 ただしこのスキルにはデメリットがある、何しろ防御力が5倍も激減する上に、自動発動スキルを含めた全スキルも使用不可、コマンド選択も出来なくなり、敵味方問わずに通常攻撃しかできなくなると言う物だった。
 確かにこの状況じゃこのスキルはある意味合理的ではあるけど、一歩間違えれば敗北確定だった。

 このスキルのおかげであっという間に決着がつこうとしていた。
 私達はある程度離れていたからルキノさんからの攻撃は届かなかった。
 ダメージを負ったキング・ランタンは大きく口を開いてジャック・オ・ランタンを吸収して体力回復をした。
 だけど回復よりも与えられるダメージの方が多く、小さくなってゆくと他のジャック・オ・ランタンと同じ大きさになった。
 ルキノさんは左手でジャック・オ・ランタンの胸倉をつかみ上げると右手の拳を握り締めた。
「くたばりやがれぇぇーーーーっ!」
 ルキノさんの会心の一撃が炸裂! 顔面を砕いた。
『ギャアアアァァーーーーッ!』
 キング・ランタンは断末魔を上げた。