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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 どうしようか考えている時だった。
 突然ルキノさんからの声が聞こえてきた。
「うるぁあああーーーーっ!」
 ルキノさんvsキング・ランタンはルキノさんが優勢だった。
 一発一発が大ダメージ、しかも会心の一撃が一定率以上高く、キング・ランタンは叩きのめされていた。
 勿論ジャック・オ・ランタン達の攻撃は受けていた。
 悪霊達の鎌の斬撃をその身に受けてどんどんHPを減らしていた。
 ところがそんな事、蚊に刺されたよりも何とも思っていないようだった。
「オラオラオラオラオラーーっ!」
 某漫画のような掛け声でキング・ランタンを攻撃した。
 するとキング・ランタンに変化が訪れた。ルキノさんの攻撃を受けている内に次第に小さくなって行くのに気付いた。
 キング・ランタンはジャック・オ・ランタンの集合体だ。殴れば殴るほど減って行く……、このまま行けばルキノさんの方は終りそうだった。
 ところがそうも行かないのがこのゲームだった。
 一度は肩膝を付いたキング・ランタンだったが、ルキノさんの攻撃が止んだ瞬間、大きい口をさらに大きく上下に開いた。
『グオオオオーーーっ!』
 キング・ランタンは大きく息を吸い始めた。
 途端ブラック・ホールのような吸引力でジャック・オ・ランタン達は飲み込まれて行った。
 すると小さくなったキング・ランタンは再び大きくなって行った。
「と、共食いっ???」
「回復までするの?」
 これじゃ手の打ち様が無かった。
 今まで敵モンスターが増援で現れたり、ボスが生み出したりと色々あった。
 だけど今回はボスは捕食して回復する、そして再びジャック・オ・ランタンが出現する、そのサイクルを壊さない限りクリアは不可能だった。
 倒したのは私達じゃないので討伐数にはカウントされ無いのは良い、でもこれは返って絶望だった。
 私だけじゃない、エミルやサリアさんも肩を落とした。
 テリオさんからは最後まで『諦めない意思』、アルネちゃんからはどんな時でも『楽しむ事』を教わったけど、今回だけはどうにもならない。
「もうダメ……」
 私は諦めかけた。
 するとその時だ。
「上等じゃねぇかぁぁーーーーっ!」
「「「えええっ?」」」
 私達はルキノさんを見た。
 ルキノさんは諦めるどころかノリノリだった。
 これはアルネちゃんと同じ……、いや、似てるけど違う、この場合は『テンション』だった。
 そりゃ誰だってテンション最高潮の時の方が上手く行く時もある、この人の場合はノリと勢いで行くタイプだった。
 するとこの武闘派腐女子は頭上で交差させながら言って来た。
「3人供、私は今からヤバいスキルを使うから近づかないでくれ」
「ヤバいスキル?」
 エミルは首を傾げた。
 私とサリアさんも顔を見合わせる。
 そんな中、ルキノさんは両手を思い切り下ろして叫んだ。
「スキル・発動っ!」
 途端ルキノさんの全身がオレンジ色の光を放った。
 それと同時にルキノさんの頭上に攻撃力アップと防御力ダウンの印が浮かび上がった。