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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 男達が言う力ずくとは勿論クエストの事だった。
 男達が受けるクエストを私達も受けて勝負をつけると言う物だった。
 今回私達が受けたのは『彷徨う怨霊』で、街の一角にある共同墓地に悪霊が群がり、それを退治して欲しいとの事だった。
 勝負の内容はいたってシンプル、悪霊を倒した数で決めると言う物だった。尚倒した悪霊の数はステータスにカウントされ、さらに悪霊以外はカウントされることは無い、つまり裏を返すと不正は行えないと言う事だった。

 私達は共同墓地にやって来た。
 入り口には黒い鉄の柱が立ち、頭上には英語でまんま『joint・cemetery』と看板が書かれ、そこから侵入防止の為に先端が槍状に尖った柵が敷地内を覆っていた。
 柵の向こう側は薄暗く、紫色の不気味な霧が立ち込める十字架や墓石が並んでいる……、いかにも悪霊やゾンビが出てきそうな場所だった。
 私達はお互いのパーティに別れて墓地を進んで行った。

 墓地に入って直ぐ、モンスターが早速現れて私達に襲い掛かった。
 空洞になったカボチャ型の頭部に半月型の目と耳元まで大きく裂けた口の奥底で真っ赤な炎が揺らめき、裾がボロボロになった黒いマントを首から下に着込み、5本指の皮の手袋には身の丈ほどもある巨大な鎌が握られていた。
 こいつ等こそこの時期に冥府より現れて街に徘徊しては人々をとり殺す悪霊『ジャック・オ・ランタン』だった。
 ジャック・オ・ランタン達は複数で私を取り囲むと鋭い鎌を振るって攻撃してきた。
『キェエエエェーーーッ!』
 ジャック・オ・ランタン達は奇声を上げながら襲い掛かってきた。
 ちなみにこいつ等はゴースト系のモンスターだけど、ゴースト・モンスターにとって有効な炎モンスターは通用しなかった。
 なぜならこいつ等は『ランタン』の名の付く様に口から炎を噴出着出して攻撃をしてくる、よって逆属性の氷属性が有効だった。
「はぁあああっ!」
 サリアさんが両手に扇面部分が真っ白く、要部分が鳥の頭を模した聖属性の武器『白鷺の扇』を持って舞うと周囲一体の地面が淡い光を放った。
 こいつ等がいくら炎属性の武器が通じないと言っても所詮ゴーストはゴースト、聖属性も効果的面だった。
 それとサリアさんの『神楽の舞』により大量のジャック・オ・ランタン達は消滅していった。
 勿論私達も順調に倒して言った。
 エミルとルキノさんも聖属性の武器を持っているので楽勝だった。
「エミル・スイングッ!」
「爆・砕・裂・波ッ!」
 エミルはいつも持ってた聖属性の昆、シルバー・ロッドの強化番『セイント・ロッド』でモンスターをなぎ払った。
 セイント・ロッドを振るうと白く聖なる光が昆全体を包み込み、それでモンスターを攻撃するとジャック・オ・ランタン達は消滅して行った。
 ルキノさんも両手に装着した氷属性の武器、アイス・クローの強化版『フリーズ・クロー』を装着して攻撃した。
 3本の氷の爪が地面に突き刺さると大地が叩き割られて冷気があふれ出し、それがジャック・オ・ランタン達を氷漬けにし、粉々に砕け散った。
 そして次は私だった。
 私は聖属性の『ブラスト・ソード』を両手に持って戦った。
「アストラル・ブレイクっ!」
 細く尖った刀身、2枚の純白の翼を折り畳んだ様を模した鍔と白い柄のブライト・ソードから放たれた星を散りばめた様な斬撃が放たれてジャック・オ・ランタンを切り裂いた。
 ちなみに私が使ったのはゴースト系に有効な新必殺技『斬幽剣(名前変更)』だった。
 ビギナー・ランクでは自分の能力を強化した技だけを覚えるけど、エキスパート・ランクでは各モンスターに有効な技を覚える事が出来る。
 現在他に覚えているのは防御力の高い敵に有効な『斬鉄剣(アーマー・ブレイク)』と飛行系の敵に有効な『斬空剣(スカイック・ブレイク)』の2つだけだった。
『『『『『ギャアアアアーーーーッ!』』』』』
 真っ二つに切り裂かれたジャック・オ・ランタン達は悲鳴を上げながら消滅した。