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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 途端自分達の目の前に巨大な鏡のような壁が出来た。
 これは以前見た事がある、ローネさんが使ったミラージュ・スキルだった。
 ミラージュ・スキルは攻撃・魔法・特殊能力を一度だけ跳ね返す事が出来る、それは魔法で跳ね返された魔法も同じだった。
 鏡の壁に合体魔法が阻まれると壁にぶつかったゴム鞠のように跳ね返された。
「ぐっ!」
 鏡の壁が粉々に砕け散るとホイップ君はその場に倒れこんだ。
 一方合体魔法はクリア・スライムに向かって一直線に進んで行った。
 ただミラージュ・スキルを使えばミラージュ・スキルを唱えられて跳ね返されるだろうと思うけどそんな事はなかった。
 スキルにだって欠点がある、それはどんなスキルでも使えるのはたった一度だけだった。
 合体魔法はクリア・スライムに直撃すると大爆発を起こした。
『ビギャアアアアーーーッ!』
 3つの属性魔法を同時に食らってクリア・スライムは奇声を上げて閃光の中に消えて行った。
 すると爆煙の中から散り散りになった体の破片が細かい結晶となって辺り一面に雨の様に降り注いできた。
「終わったか?」
 ショコラさんは言った。
 私はステータスを開いてみると目を丸くした。クエストのタイムリミットのカウンターがまだ動いていたからだ。
 つまりまだクエストは終わっていなかった。
「まだよ! 奴はまだいる!」
 私は叫んだ。
 すると爆煙が晴れるとそこには小さな影があった。
 それは間違いなくクリア・スライムだった。
 ただしかなり小さくなっていた。多分私達くらいだろう、かなり弱っているけど倒すまでには至らなかった。
「何で? あれだけ強力な魔法を…… あっ!」
 私は思い出した。
 多分私が攻撃を食らった際に覚えていた瀕死回避スキルを覚えたんだろう、あれは自分自身が発動しなくても自動的に発動するスキルだからだ。
『ギシャアアッ!』
 クリア・スライムは私達に向かって吠えると口の中に光が点った。
 これはアルネちゃんのペタ・ブライツだった。
 それを見た瞬間、ショコラさんは慌てふためいた。
「ちょ、同時攻撃されるとコピーできないんじゃないの?」
「恐らく同時攻撃『全ての魔法をコピーできない』って意味だったんだと思う、同時攻撃されるとどれか1つをランダムでコピーされるんだと思う」
「よりにもよって……」
 私は忌々しく舌打ちをした。
 他の2人も厄介だけど、特にこの中で1番強いアルネちゃんをコピーするのはかなり厄介だった。
 ただ手が無い訳じゃない、私も皆のターンは終わったけど、私はまだスキルを使って無かった。
「皆下がって、私がレシーブ・スキルで跳ね返すわ!」
 私は言った。
 何しろ私にはまだ『レシーブ・スキル』があった。
 これさえあれば相手の攻撃か魔法を跳ね返す事が出来るからだ。
 これが決まれば私達の勝ち…… と、思った瞬間だった。私の背後から強烈な光が放たれた。
「えっ?」
 私は振り向いてみる。
 そこにはアルネちゃんがスィート・ウェスタを右手に持ったまま、頭の上で左手首と重ね合わせていた。 
 そして足元には白い魔法陣が浮かんでいた。
「コロナちゃん、だったら一緒にやるっス」
「えっ? だ、だって…… ええっ???」
 私は分からなくなった。
 アルネちゃんはターンも終わり、スキルも使って動けなくなってるはずだった。
 それなのにどうして魔法が使えるのか分からなかった。
「今こそ、アタシの全力を見せるっス!」
 そう言いながら両腕を左右に振ると右手を再び振り上げて頭上でクルリと回して一度肘を下ろし、そして再び天井目掛けて突き出した。
 その先端に光が集まって再び巨大な光の球体が出来上がった。
 アルネちゃんは嘘は言ってなかった。実際に足元に魔法陣が輝いてるのが何よりの証拠だった。