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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 状況を整理してみるとようやく見えてきた。
 こいつは攻撃を真似てしまう代わりに弱点まで真似てしまう。
 僧侶職が使うリフレクトは相手が使う魔法を跳ね返す効果はあるけど、こちら側から使った魔法が跳ね返されたらそれを防ぐ事はできなかった。
 つまりこいつは自分から唱えた魔法は跳ね返せない、何でもかんでも真似るべきではなかった。結果的にだけどホイップ君の魔法が大きな希望を作った。
 するとアルネちゃんが言って来た。
「あ、そう言えばローネちゃんから『何ならリフレクトを使える仲間を連れて行けば』って言われてたっス、そう言う事だったっスか」
「……アルネ、そう言う大事な事は先に言って」
 センリは目を閉じると眉をヒク付かせた。
 滅多に感情を表に出さないセンリが怒っていた。
 ただ怒鳴らないだけ大人だった。
 大体アルネちゃんの物覚えの悪さは昔から尋常じゃなかった。
 小学生の頃も遠足の時も普通に登校して来たリ、体育祭なのに体操着を忘れてきたりと例を挙げていたらキリが無かった。
 折角ローネさんが選んでくれたクエストだって言うのに……
「ん? ちょっと待って」
「どうしたの?」
「いや、確かこのクエスト、ローネさんが選んだんだよね?」
「そうっスよ、ローネちゃんがアタシの為に選んでくれたっス」
「つまり、このクエストは上手くやれば魔導士職でもクリアできるって事だよね?」
「何が言いたい?」
「つまり…… ヒーラーはあくまで保険って事ですか?」
「アルネちゃん、他に何か言ってなかった?」
 私はアルネちゃんの尋ねる。
 ローネさんはアルネちゃんと違い『魔法少女=スライム=如何わしい事(偏見)』を知らなかっただろうけど、このモンスターの事は事前に調査してあったはずだ。
 ローネさんがクリアできないクエストを選ぶなんて思えない、多分何か解決策…… アルネちゃんの場合は遠まわしに言うと分からないだろうから伝えておいたはずだ。
「他には? ……う〜ん」
「思い出して、大切な事かも知れないから」
 私は腕を組みながら顔を顰めるて首を傾げるアルネちゃんに言った。
 待つ事数秒……
「あ、そう言えば」
「何かあった?」
「この前ローネちゃんに100円借りてたの忘れてたっス」
「そんな事聞いてない!」
 右手を頭の後ろに回したアルネちゃんに私は叫んだ。
 いや、決して『そんな事』とは言えない、たった100円とは言えお金は大事だからちゃんと返そう。
 ただ今はその話は置いておこう、センリ達も呆れて溜息を零していた。
 すると再び考え直すと……
「そんな事言われても〜…… あのモンスターは攻撃して爆発すると武器防具両用の錬金素材になる事と…… 複数同時攻撃は真似できないって事くらいっスね」
「「「「それっ!」」」」
 私達は一斉に指差した。
 それが1番重要だった。
 っ言うかなんでそんな事を忘れるのかいまだに理解できなかった。
「アルネ、忘れやすいなら何かにメモしておくと良い、それなら忘れない」
「あ、その手があったっス、センリちゃん頭良いッス!」
「いや、普通気付くでしょ?」
 ホイップ君は目を細めた。