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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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「コロナちゃん!」
 そこへ皆がやって来た。
 すると私の前で仁王立ちしたアルネちゃんがスィート・ウェスタを構えた。
「よくもコロナちゃんを、絶対許せないっスっ!」
「アルネ、ダメ」
 センリが止めた。
 クリア・スライムは相手の能力をコピーする…… つまり能力の威力もそのまま跳ね返す能力を持っている。
 それは自らが受けた攻撃だけでなく、スキルも同じだが、この中で1番最強のアルネちゃんが魔法を放とうものならパーティは確実に全滅してしまう。
 しかしそれと同時に強力な戦力を削ぐ事になる、アルネちゃん無しでこのクエスト攻略は不可能だった。
 先に回復した後に攻撃する手もあるのだが、それではクリア・スライム自身も回復してしまうのは間違いなかった。
「センリ、何か良い手は無い?」
 私は尋ねた。
 センリも考え込んだ。
 さすがにセンリも迷っていた。
 まるで自分自身と戦ってるみたいだった。
 ただ私も皆もこんなにブヨブヨしてない、そこは考えたくなかった。
 すると以外にもアルネちゃんが言って来た。
「だったら自分に攻撃したらどうなるっスか?」
「はぁ?」
 私はアルネちゃんを見た。
 他の皆もそうだった。
 確かに理屈は通っている…… 今までこちらから仕掛けて返り討ちにあったのだから、自分達で攻撃し合えば相手は攻撃できないはずだ。
 自分自身を攻撃すればモンスターも勝手に自分を攻撃するはず…… でもそれは誰が受けるかだった。
 するとショコラさんが言って来た。
「それなら丁度良いのがいるだろ」
 ワザとらしく目を泳がせた先にはホイップ君がいた。
「ちょ、何だよそれ!? 僕にやられろって言うの?」
「おやおや、今回貴様は役に立たないだろ、何しろ回復魔法を使えば回復するんだし…… どうせ薬草程度の価値しかないのだから水妖の的になるのが物の道理と言う物だ」
 ショコラさんは嫌味丸出しで言って来た。
 すると私に何かが『ブチッ!』と切れた音が聞こえた。
 空耳何かじゃ無い、恐る恐る見て見るとホイップ君がワナワナと両肩を震わせて眉間に皺を寄せて強く右足を踏み出して叫んだ。
「ふざけんなバカ姉ッ! 自分こそ脳ミソと脇腹の肉がスライムのクセに!」
「な、な、な、なぁ…… 何だとぉ! もう一辺言ってみろ! 誰の頭と脇腹がスライムだ!」
「部屋出て洗面所の鏡見て見ろよ! この前から体重が増えたって無駄なダイエットしてるクセに!」
「無駄とは何だ無駄とは!!」
「うるさいっ!!」
 2人供完全に頭に血が昇ってた
 確かに仕掛けたのはショコラさんだけど、ホイップ君も言い方は悪かった。
 いや、元々ケンカ自体良くない事だ。
 もうクエストなんて場合じゃ無かった。
 センリはほおって置けと言われたけど、やっぱりほおって置けなかった。
 私は2人を止めようと手を伸ばした。
 するとセンリが意外そうな顔でアルネちゃんを見て目を見開いた。
 するとアルネちゃんは眉間に皺を寄せて叫んだ。
「いい加減にするっス!」
 アルネちゃんの怒りに周囲の者達が両肩をビク突かせて静まりかえった。
 それと同時に私の目が丸くなると目の前の人や物が見えなくなり、頭の中に埋もれていた記憶が一気に蘇った。
 思い出した。私は一度だけアルネちゃんに怒られた事があった。