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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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「センリっ!」
 私はすかさずガード・スキルでセンリを庇った。
 私自身が雷魔法を食らい、私のHPがほんの僅か減ってしまった。
「コロナ!」
「大丈夫、大したダメージじゃないから」
 心配して来るセンリに私は言った。
 それにこれは私が勝手にやった事だからそこまで言われる事じゃ無い。
 多分センリはこいつを為したんだろう、ホイップ君の言うとおり、こいつは相手の攻撃を反射するコピー能力を持っていたモンスターだった。
 つまり先に攻撃するとその攻撃をお返しすると言うカラクリだった。
「だったらこれで!」
 私はレイジング・ブレードを構えて突進した。
 相手が攻撃だけをコピーして本人に跳ね返すなら私が直接攻撃で斬り込むのが得策だった。
 私なら防御力も高いし、ちょっとやそっとの攻撃なら跳ね返せるからだ。
「援護します。パワードッ!」
 ホイップ君がシャイン・スタッフを構えて私に魔法をかけてくれた。
 私の頭上に攻撃力アップのマークが輝くとレイジング・ブレードを振るった。
「やあああっ!」
 私の炎の斬撃がクリア・スライムを切り裂いた…… かと思った。
 途端クリア・スライムの体の一部が飛びだして…… と言うより千切れ飛ぶと私の前にやって来た。
 そしてクリア・スライム本体の代わりに私の攻撃を受けて真っ二つに切り裂かれて地面に落ちた。
「なっ、これって!」
 私は目を見開いた。
 これは私のガード・スキルだった。
 このモンスターはスキルまでコピーしてしまった。
 残念ながら私の攻撃は失敗に終わった。するとクリア・スライムの頭上に私と同じ攻撃力増加マークが浮かぶと再び体の一部が伸びた。
 ただし今度は先端が鋭くなって刃状になると刀身に炎が噴き出して私に向かって振り下ろされた。
「ス、スキル発動っ!」
 私は慌ててブロック・スキルを発動させた。
 途端左腕のドラゴン・ガードを構えて強制防御を取るとそのままクリア・スライムの攻撃を防いだ。
 私は鞭のようにしなる触手の剣の横薙ぎ攻撃を食らって吹き飛ばされた。
「うああっ!」
 私はゴム鞠のように土煙を上げながら地面に転がった。
 防御してもダメージは負う、しかも炎属性とホイップ君のパワードも加わってるみたいでかなり強力だった。防御して無かったら確実に致命傷だった。
 今まで私の『渾身』やレミの魔法で攻撃力をアップさせて戦う事は何回もあった。
 戦って来たモンスター達もこんな感じで受けて来たんだろうな…… 自分自身プレイしたての頃より成長しているのかが分かった。