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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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「やった……」
 私は頬が緩んだ。
 勝った…… 誰もがそれを確信した瞬間、スパイク・ドラゴンの目がカッと見開いた。
『グアアッ!』
 スパイク・ドラゴンは大きく口を開くと火炎弾を私達に放った。
「しまった!」
 気づくのが遅かった。
 私達は今まで戦闘中にモンスターは特殊能力を使う物だとばかり思っていた。
 でもそれだけじゃ無かった。今回は倒された後に反撃すると言う…… 所謂死んだふりと言う奴だった。
 しかも私達のターンはすでに終了している、しかもスキルを使ってしまったのでどうする事も出来なかった。
(……くっ) 
 私は目を閉じた。
 でもその時だ。
「リフレクトっ!」
 私達の耳に誰でも無い人の声が入ると目の前に金色の光の壁が出来あがると火炎弾を跳ね返した。
『ギャアアアッ!』
 火炎弾はスパイク・ドラゴンに当たって爆発する。
 でもそれだけじゃ無かった。
 私の横を1つの黒い影が2つの尾を引きながら物凄い速さで通り過ぎると手に持っていた剣を振るいあげてスパイク・ドラゴンを攻撃した。
「ストライク・ブレードッ!」
 それはお姉ちゃんだった。
 お姉ちゃんの氷の剣が振り下ろされ、強力な一撃がスパイク・ドラゴンに炸裂した。
 予め『渾身』を使っていたんだろう、それに相手の苦手な氷属性と言う事で威力も大きかった。
『ギャアアアアァァーーーッ!!』
 スパイク・ドラゴンは断末魔を上げると背を仰け反らせた。
 そして巨体をグラつかせると地響きを立てて地面に倒れて画面から消滅した。
 お姉ちゃんはフリージング・ソードを鞘に仕舞って肩を落とした。
「ふぅ……」
「お、お姉ちゃん?」
 私は…… と言うより皆呆気に取られて動けなかった。
 私達を守ってくれたのは少し後ろにいるローネさんだった。横にはアルネちゃん達もいた。
 するとお姉ちゃんは私に向かって振り向いた。
「コロナァァアアァァ〜〜〜ッ!」
 お姉ちゃんは滝の様に目から涙をあふれさせながら私に抱きついた。
「きゃああっ?」
 私はお姉ちゃんに押し倒された。
 お姉ちゃんは頬擦りしながら泣き喚いた。
「遅れてゴメンねぇぇ〜〜〜っ! ホントにゴメンねぇぇぇ〜〜〜っ!」
「お姉ちゃん止めてっ! 皆見てるから! 離れてぇぇ〜〜〜っ!」
 私は赤面しながらお姉ちゃんの頭をつかんで引き離そうとする。
 だけどお姉ちゃんは離れようとしなかった。
 皆呆れた感じで私達を見ていた。ただ1人だけを除いて……
 ルキノさんは顎に親指を当てながらニヤニヤとうすら笑いを浮かべながら呟いた。
「これは今度のコミケに使えるなぁ……」
「止めなさい」
 そこをテリオさんが止めた。
 でもこれにてクエスト終了…… だった。