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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 でもそれも終わりを告げようとしていた。
 私達は洞窟の最深部である最後のフロアの前にやって来ていた。
 明らかに今までのフロアの入り口とは違っていた。今まではただの洞穴みたいな作りだったけど、目の前の入り口の縁部分は幾つもの石を積み立てて作られていた。
 再び回復アイテムを使ってHP・FPを完全回復すると最後の戦いに挑もうとした。
「どんなのが出んのかなぁ?」
「きっとドラゴンっス、RPGのお約束っス!」
「おっし! そのドラゴンぶっ飛ばす!」
「そしてドラゴンの丸焼っスっ!」
「「あははははっ!」」
 2人は声を揃えて笑った。
 子供が2人…… 似た者同士の2人はすっかり意気投合していた。
 そんな事を考えながらフロアに足を踏み入った瞬間……
『グルルル……』
『ガアアアッ!』
『ケケケェェ――ッ!』
 無数のモンスターのたたましい雄叫びが木霊した。
 なんと東京ドームくらいの大きさのフロアに夥しい数のモンスターが集まって入って来た私達を睨みつけていた。
 所謂モンスター・ハウスと言う奴だった。
「今まで散々出て来て最後はこれ? 何かの嫌がらせかしら?」
「まぁ、最後に待ちかまえているのがボスとは限らないけど……」
 マジギレ寸前のレミに私は言った。
 このゲームのクエストにはボスが出て来ないのもある、モンスターを定められた数だけ倒すとか、出て来るモンスターを無視して依頼された素材を採取するとか様々だ。
 だけど今回のは数で勝負ってな感じだった。
 期待が外れた2人を見て見たけど……
「すっごーいっ! 思い切り暴れられるぅーっ!」
「食材供のバーゲンセールっスーっ!」
 外れた事なんて微塵も何とも思って無い様だった。
「あ、皆見て!」
 ローネさんが指を差すとさらに奥へ進む部屋があった。
 どうやらあそこに大量発生の原因があるみたいだった。
「これってかなり時間かかるわよね?」
「じゃあ2つに分かれましょう? 片方がここに残って戦う、もう片方は奥に進む」
「私達が残って戦うわ、コロナ達は先に進んで」
「お姉ちゃん?」
「そんな事したらお姉さん達が大変だよ? アタシも残るよ!」
 エミルは言う。
 するとお姉ちゃんのパーティのメンツが言って来た。
「平気っス、慣れっこっスから」
「後で必ず追い付くわ」
「そう言う事、だから大丈夫よ」
「同人作家をなめちゃいけないな」
 アルネちゃん、ローネさん、テリオさん、ルキノさんが言う。
 最後の台詞が意味不明だったけど、お姉ちゃんが最後に言った。
「じゃあ決まりね、いつもみたいにやりましょう」
 お姉ちゃんが前に出ると他の人達も得物を手に取った。
 アルネちゃんはラビット・ステッキ、ローネさんは竜宮丸、テリオさんはハウリング・ブレード、ルキノさんのシザー・クローを構えるとお姉ちゃんの横に着いた。
「何か皆揃うの久しぶりね、何ヶ月ぶりだっけ?」
「1ヶ月と8日ぶりよ」
「一々数えてるなんて、マメっスねぇ」
「折角だし、また何か賭けるか?」
「モンスターぶっ倒した数が多いのにジュースおごりで良いんじゃない?」
 お姉ちゃんが言った。
 何でもお姉ちゃん達は時々集まるとクエストで賭け事をしているという。
「今月お小遣いピンチっスから、全力で行くっス!」
「そりゃお前が無駄遣い&赤点連続するからだろうが」
「アルネ程じゃないけど、私も負ける気は無いわよ」
「私だって、結構レベルを上げてるんだから」
「そんじゃまぁ、行くわよ!」
 お姉ちゃんが号令をかけるとお姉ちゃんのパーティは散開してモンスターの群れの中に飛び込んで行った。