ねとげ~たいむ・エキスパート!!
パラサイト・ブロック達は一斉に私達に向かって飛びかかって来た。
だけどそんなの意味が無かった。何しろこっちにはセンリがいる。
「ギガ・フリーズッ!」
雷鳥の杖から冷気が吹き荒れて周囲のパラサイト・ブロック達を氷漬けにして行った。
さらにその隙間から飛び出したエミルが技コマンドを選択する。
「エミル・ラッシュ!」
エミルの爆裂拳が炸裂。
一気に複数のパラサイト・ブロック達が凍りついて砕け散った。
さらに私もファイア・ソードで試してみた結果、これもパラサイト・ブロックに有効な装備だと言う事が分かった。
私が一刀両断するとモンスターは炎に包まれて中の体液も蒸発してしまった。
さらにレミも炎系の装備、燃え盛る炎の模様の入った黒い槌に長い鉄の柄のハンマー『バーニング・ハンマー』を装備して攻撃に参加した。
一気に有利になった。だけど……
「な、何で減らないのよっ?」
私は周囲を見回した。
私達はパラサイト・ブロックを確かに倒している。
でも数が一向に減る様子が無かった。いや、むしろ増えてる?
「何でよ? 倒せば減るんじゃないの?」
「多分本体…… 今までのパターンからして本体がいるんだと思う、そいつを倒さないと終わらない」
「そう言えば何度かあったね、そんな事」
私は思い出した。
正確に言うとこいつらは本体の子供達だろう、本体はどこかで隠れて子供を産み落としてるんだ。
とは言う物のどうやって本体を見つけ出すかだ。私の知り合いに盗賊がいて、パーティを組んだ時はその人が隠れたモンスターを見つけ出してくれてたけど、生憎その人はこの場にいない。
するとセンリが言って来た。
「大丈夫、手はある」
「どうする気?」
私は尋ねる。
するとセンリは雷鳥の杖を構えながら言った。
「古人曰く『案ずるより産むが易し』、どこにいるのか分からないならあぶり出すまで」
センリの足元に紫色に輝く魔法陣が浮かび上がった。
ちなみに今の諺は、出産前はあれこれ考えるけど、その後はそれほどの事でも無いと言う意味なのだけど、実はもう1つ別の意味があった。
それはあれこれ考えるより動いた方が上手く行くと言う意味の言葉で、つまりは最終的には力づくって事だった。
作品名:ねとげ~たいむ・エキスパート!! 作家名:kazuyuki