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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 天井からぶら下がっている触手が切断されると支えを無くしたパラサイト・ブロックは落下してきた。
 天井から切り離されて地面に近くなった事もあるので接近戦も可能となった。
 それと同時にエミルは叫んだ。
「スキル発動っ!」
 エミルは高速で私達の間を駆け抜けてパラサイト・ブロックとの間合いを詰めた。
 エミルが使ったのはアクセル・スキルと言う物で、相手ターンよりも早く行動する事が出来る。
 私達が攻撃したのが本体で無い以上戦いはまだ続いている、このまま落下して潰れて体液ぶちまけてモウディビッグが大暴れしてゲームオーバーになるかどうかは分からないけど、可能性があるなら瞬時に仕留めるべきだった。
 エミルは技コマンドを選択すると強く握った右手に光が点った。
「エミル・パーンチ!」
 エミルの正拳突きが炸裂する。
 空中じゃ逃げ場が無い、決まれば私達の勝ちだった。
 でもそうはいかなかった。なんとパラサイト・ブロック達が分裂してしまった。
「なああっ?」
 エミルの攻撃は見事から振りに終わり、エミル本人は床に転がった。
 今まで体液袋の下に隠されて見えなかったけど、天井からぶら下がったり私を攻撃していた触手の役割をしていた赤い肉塊が体液袋の土台となり、さらに4本の触手を生やして足の代わりとなって支えていた。
 その数はざっと12〜3はいるだろう、形勢は一挙に不利になった。
「チっ! ホントにタチ悪いわ」
 レミは舌打ちをする。
 今までは1つに纏まってたから攻撃も単調で済んだ。
 これだけ数が増えるって事は攻撃の数も増えると言う事になる、攻撃力が下がるのはありがたいけど、これはこれで厄介だ。
 普段はモンスターに寄生して操りながら養分を吸い取り、危なくなると分離して自分が有利な状況に持って来る、まさにこのモンスターは寄生するブロックだ。
「これじゃ攻撃できない」
「あ、そうだ! もしかしたら」
 するとエミルが言って来た。
 エミルは装備をアイス・クローに変更する。
 そして1番近くにいたパラサイト・ブロック目がけて拳を振り上げた。
「はああっ!」
 氷の爪が体液袋を切り裂いた。
 その瞬時に切られた場所からパラサイト・ブロックが凍りついた。
 たちまちモンスターは粉々に砕け散って消滅した。
「思った通り、こいつら冷気に弱いんだ!」
「エミル、良く知ってたね」
 私は感心する、そう言えば漁師町出身だっけ。
 エミルが言うには寄生虫は冷気や高熱に弱く、火を通すか完全に凍らせれば寄生虫は死滅すると言う。
 考えて見ればこいつらの大半が体液袋、つまり大半が水分でできてるから水風船みたいなモンだ。
 するとレミが言って来た。
「鯨が哺乳類って知らなかったクセに」
「何よ、うるさいなぁ」
「まぁまぁ、別に良いじゃん、エミルのおかげなのは事実なんだし」
「そ〜だそ〜だ!」
「エミル、だからって調子に乗らない」
「は〜い」
 センリが言うとエミルは大人しくなった。