ねとげ~たいむ・エキスパート!!
だが全てのモンスターが倒された訳では無かった。
冷気属性のモンスターの大半は地面に倒れて消滅したのだが、炎属性のモンスターは全く無傷だった。
勿論それは想定内だった。
「スキル発動」
センリが言うと体が紫の光を放った。
これは以前アルネが使った『マジック・スキル』だった。
このスキルにより再び魔法が使えるようになったセンリはコマンドを開くと冷気魔法を選択した。
足元に再び紫色の魔法陣が浮かび上がると、今度はサークルから凍てつく冷気が吹き出し、センリの頭上で球体状になった。
そして地面から引き抜いた神鳥の杖の先端を空高く掲げた。
「テラ・フリーザスッ!」
途端冷気の球体は空高く舞い上がると、巨大な氷塊となって全フィールドに降り注いだ。
『ギャアアアアアッ!!』
それらは全てのモンスターを攻撃し、この場のほとんどの炎属性モンスター達は倒れて消滅した。
勿論それでも残っているモンスターはいる…… ただHPはだいぶ削られているのであと1〜2発通常攻撃を食らえばお終いだろう、残りはレミとエミルの番となった。
エミルは握った右拳を高々と頭上に掲げた。
「スキル発動!」
エミルの体が青く光った。
エミルは足元をカッとみると、腰を落として右手を石畳に叩きつけた。
「エミル・ボンバーっ!」
エミルの爆裂砕波が炸裂した。
地面を砕いたエネルギーが赤いモンスター達全てを飲み込んだ。
『ギャアアアアアーーーッ!』
モンスター達は消滅した。
しかし爆裂砕破は1グループしか攻撃できないので、青いモンスター達には全く攻撃が届かなかった。
しかしそこはレミの番だった。
「スキル発動!」
レミの体が金色に輝いた。
そしてレミが装備コマンドを開くと装備を選択、選択したのは籠手系装備の『バースト・ナックル』だった。
今レミが使ったのはかつてローネが使った『フレンド・スキル』だった。
レミも攻撃手段を増やす為にこのスキルを購入して装備も一通り用意した。
レミ本人も素材を集めて置いたので装備を揃えるのは楽だった。
そしてクエスト出発前にエミルとセンリを登録した。ちなみにコロナは到着してからすぐクエストに出発したので登録できなかった。
そしてレミもエミルと同じ技、爆裂砕波を使った。
エミルの時同様、地面を砕いて飛び出したエネルギーが残った氷属性モンスターを飲み込んだ。
『ギャアアアーーーッ!』
氷属性モンスター達は断末魔を上げて消滅した。
作品名:ねとげ~たいむ・エキスパート!! 作家名:kazuyuki