小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ねとげ~たいむ・エキスパート!!

INDEX|113ページ/139ページ|

次のページ前のページ
 

 さっきのローネさんの装備を思い出した。
「ローネさん!」
 私が言うとローネさんはそれを言う事が分ってたみたいだった。
 ローネさんは装備を変更し、長い柄の先端に上下の反転した半月型の刃が取り付けられた双刃の薙刀『旋風刃』を手に取った。
 武器マニアとも言うべきローネさんなら持っていてもおかしくはない、だけどここはローネさんが出るべきじゃなかった。
「ローネさん、私に武器を貸してください」
 私は頼み込んだ。
 ローネさんが武器を持って戦うより私が戦った方が効果はあるはずだ。何しろ神官より騎士の方が攻撃力は高いからだ。
 他のメンバーもそれは納得しているみたいだった。するとローネさんが言ってきた。
「大丈夫よ、元々これは私のクエストだから」
 それだけ言うと私達の前に出てQ・フォックスの前に立った。
 そして左手を自分の胸に当てると魔法を唱えた。
「ターン・ヒール」
 途端金色の光がローネさんを包み込んだ。
 この魔法はしばらく自分のターンが来るたびに小回復する回復魔法だった。
 HPが半分くらいしかないローネさんにとっては保険なのだろう、準備が整ったローネさんは旋風刃を構えた。
 するとQ・フォックスが大地を蹴って走り出した。
『キェェエエエエーーーッ!』
 右手でバトンの様にグルグル回転させて雄叫びを上げながら間合いを近づけるとローネさん目掛けてジャンプした。
 そして上半身を捻ると、纏わりついた空気が渦を巻いてドリル状になった槍の穂先をローネさんに突き出した。
 しかしローネさんも何もしてない訳ではなかった。
「スキル発動っ!」
 ローネさんの体が光り輝くと技コマンドを選択した。
「斬空牙ッ!」
 ローネさんが旋風刃を下から振り上げると空気の刃が飛び出した。
 しかしそれだけじゃない、さらに振り上げた際に両手を使って薙刀を振り回すとそのまま振り下ろした。
 するとどうだろう、先ほどローネさんが使った斬空牙がもう一度繰り出された。
「2回攻撃?」
 私は目を見開いた。
 2つの空気の牙は×の字に重なるとQ・フォックスを攻撃した。
『グゲェエッ!』
 体を×の字に切り裂かれるとそのまま地面に落下した。
 やっぱりローネさんの言う通り、相手は同じ属性の武器でないと攻撃を防ぐ事ができなかった。
 するとQ・フォックスが立ち上がると槍が消え、今度は両手に鈍い光沢を放つ鉤爪が装着されていた。さしずめ今回は鉄属性だろう、だけど……
「ローネさんっ!」
 私はローネさんを見た。
 さすがに今回は無理なはずだ。何しろ神官職は爪を装備出着ない……、だけどそんな心配は無かった。