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ねとげ~たいむ・エキスパート!!

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 私達はパラディス国境付近にあると言う山林へやって来た。
 今回受けたのは『妖狐の怪』と言うクエストで、この山林に強力な力を持つ狐のモンスターが住み着き、村中に呪いをかけたのだという。
 そして毎年若い娘を1人生贄に捧げろと命令をして来た。勿論冒険者にも依頼したが、冒険者達はなす術も無く逃げ帰ってきたのだった。
 私達は切り開かれた山道を登っていた。
「今回はfox・busterでありんすね、foxは昔からover・naturalな能力が強い生物でありんす」
「へぇ〜、そうなんですね〜、良く知ってますね〜、私なんてお稲荷さんしか知らないです〜」
「ワチキは日本の文化を学んだでありんす、foxのmonsterは日本だけでなくアジア全体でも有名でありんす」
「そうね、結構有名ね」
 私は言う。
 動物の妖怪や霊の中で1番代表的なのが狐だった。他にも狸や猫や犬など沢山いるけど、何故か狐が有名だった。
 するとローネさんが言ってきた。
「狐は神獣としても有名よ、古事記や日本書紀では『宇迦之御魂』として登場するわ……、それに御稲荷様は元々『稲』が『成り』という意味があって、稲を象徴する穀霊神・農耕神として奉られていたのよ」
「ローネ、詳しいのね」
「実家が神社ですから」
 レミにローネさんが苦笑して答えた。

 そんな話をしながら歩いている時だった。
 突然レイさんが足を止めた。
「ムムッ?」
「レイさん? どうしたんですか?」
「皆サン、readyでありんす! monstelが来るでありんす!」
「本当?」
「ワチキのenrmy・skillsはperfectでありんす!」
「いつの間に……」
 私は呟いた。
 ふと見てみるとレイさんの頭上に青い『!』マークが浮かんでいた。
 ちなみにレイさんがいつの間にか使っていたスキルは簡単に言うと敵感知能力だった。
 この能力は自動的に発動されるスキルらしく、近くにモンスターがいると反応すると言う。
 ちなみに青い色は自分よりレベルが低い敵、赤い色はレベルが高い敵だった。

 そしてそれは現れた。
 茂みがガサガサと音を立てると潜んでいたそれが宙に舞い上がり、瞬時に私達の周囲を取り囲んだ。
 全身が茶色い体毛に覆われ、耳の先端が黒いフサフサした尻尾、その上から黒い着物を羽織って右手に日本刀……、と言うより忍者刀を構えた狐の獣人『キラー・フォックス』だった。
 するとレミがセイント・メイスを持った右手をスナップを効かせてグルグル回すと肩にかけながら溜息を零した。
「本当に今日は和風尽くしだわ」
「welcomeでありんす、下忍ども!」
「行きますよ〜っ!」
 レイさんとセナさんは叫んだ。